【オンライン研修】パーソルテンプスタッフ 事業とSDGsに橋を架ける 全社公募700名規模の研修

全社員を対象にした希望制参加のオンライン研修を実施したパーソルテンプスタッフ株式会社。

1カ月の間に計20回開催し、約700名の社員が参加しました。
「まずはSDGsを知る」「できることから始める」を目的としたこの研修の立案者は、執行役員・経営企画本部長の渡部広和さんです。

「カードゲーム体験会で得られたものと自社事業につなげていく上での課題について検証を重ね、第一歩として全社規模の研修を開催することにしました」と語る渡部さん。SDGsについて学ぶ機会を全社員にまで広げていったプロセスを振り返っていただきました。

 

研修実施の経緯図

 

執行役員・経営企画本部長 渡部広和氏 インタビュー

 

――SDGsをテーマにした研修を開催したいと考えた動機は何でしたか。

渡部 パーソルグループでは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を実現するため、事業活動を推進しながら社会的価値と経済的価値の双方を高め、同時にSDGsの達成に貢献することを目的とした中期経営計画を2020年4月からスタートさせています。この中期経営計画を策定するため、2018年ごろからグループ全体で議論を重ねてきました。私はその過程でSDGsについて学び、じっくり考えるようになりました。

自分なりに学びを深めてきましたが、SDGsが掲げる地球環境や社会課題などの問題は遠い世界のことのような気がしてしまい、“自分事”としてなかなか捉えにくい。自社で何を始めたらいいのかSDGsに対して少しモヤモヤした気持ちを抱えていました。

 

――自社で何を始めたらいいか、というモヤモヤは多くのSDGs推進する立場の方からお聞きします。
渡部さんはどのように解消されたのでしょうか。

渡部 トップマネジメントを対象にしたカードゲーム体験会が2020年3月に当グループ内で開催される予定でした。このときは残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止になってしまったのですが、その後もずっとカードゲームのことが気になっていました。SDGsに対して抱いているモヤモヤ感を解消するためにも、まずは知る、理解することを純粋にやりたい――そんな気持ちでイマココラボに連絡をしました。

 

――ご連絡をいただいたのは7月下旬。「トップマネジメントを対象にしたカードゲーム体験会を」というご相談をいただきました。

渡部 まずは、トップマネジメントにカードゲームを体験してもらいたい、と考えていました。とはいえ企画を担う立場の者の実体験がないままでは説得力に欠けます。まずは私自身がイマココラボ主催のカードゲーム体験会に参加させていただくことにしました。

 

――麹町のセミナールームにお越しいただきありがとうございました。実際にカードゲームを体験してみていかがでしたか?

渡部 面白かったですよ。一般向けの体験会でしたので、他企業の方やNPO関係者、親子連れの方などさまざまな背景の人が参加していて、その場で出た意見も多様でした。それがとても面白かった。けれど、同じ会社の、同じようなレイヤーの人が集まってカードゲームをしても新しい気づきはあるのか? そこから何か生まれるのか?自社内での開催について、体験したからこそ、たくさんの疑問が生まれました。

つまり、このカードゲーム体験が自社事業とどうつながるのか?そこが解消しきれなかった。企画を立てる側としては、お金をかけて社員の時間を拘束するのですから、“その先”を描けないままでは実行に移せません。私個人としてはカードゲームの世界観を理解し、多くの気づきが得られたけれど、会社として実施する意義はあるのか? 悶々と悩みましたね。

 

 

――オンラインで何度か打ち合わせをさせていただきましたが、最終的にはカードゲームを使ったマネジメント層への研修を決断されました。悩まれていた”会社として実施する意義”を確認できて、実施に踏み出したのでしょうか。

渡部 最後は思い切ってまず一歩踏み出した、という感じですね。SDGsに対してはいろいろな考え方があるけれど、まずやってみよう。まず知ること、踏み出すことが大事。自分の実体験の感覚を信じて、無駄にはならないからやろう、という決断に至ったのです。

 

――踏み出すためのきっかけがあったのですか?

渡部 特別な何かはありません。確かに悩んではいましたが、やらなかったら結局は0点。何も変わらない。中期経営計画においてもSDGs達成への貢献を掲げていますし、世の中のムーブメントもある。トップマネジメントのSDGsへの理解が自社の歩みのはじめの一歩だ、と捉えれば、研修実施後さまざまな疑問が出てきたとしても、受け止めて、次の二歩目へ生かしていけばいいだけのことだと。

私自身、「失敗をマネジメントしていく」「チャンレンジをして積み上げていく」という考え方を、ビジネスパーソンとしての人生で体験的に持っていました。ですから一足飛びに100点を得られなくても、まず踏み出そうと決めたのです。何度か相談を重ねる中で私の心に響いた、「SDGsに正解はない」「考えることが一歩目として大事」というイマココラボの言葉に背中を押されたこともあります。

 

――10月にトップマネジメント23名を対象に研修会を開催。カードゲーム体験のほか、他社の事例紹介やSDGsの本質に関するレクチャーなど、計3時間のプログラムを提供させていただきました。

渡部 企業としてどこまでSDGs達成に貢献できるのかは別にして、各自の問題意識も高まりましたし、「未来に向けて踏み出そう」という目線を合わせることができた。“はじめの一歩”としては、開催してよかったと心から思うことができました。

 

――はじめの一歩を踏み出され、次のステップとしてはどんなことをお考えになったのですか。

渡部 さらに目線を合わせていくためにはトップマネジメントの人間だけでなく、もう一歩進んで、社員一人ひとりに学びの機会を提供する必要があると考えました。コロナ禍でカードゲームを全社員に実施するのは現実的ではないので、オンライン研修を、強制ではなく希望制参加で実施したいと考えました。規模もスタイルもこれまでやったことのない新たな挑戦です。そこで貴社に相談したところトライアルでのオンライン研修の提案をいただき、お願いすることにしたのです。

 

――全社規模での研修開催の判断材料として、渡部さんの部署の25名にトライアルでオンライン研修を体験していただきました。

渡部 結論からいうとトライアルは大変好評でした。SDGsについて考える機会が与えられたことをポジティブに受け止めている感想がほとんどで、問題意識を持ってもらうよいきっかけになった。部下たちの反応を見て、全社規模での開催成果に確信を持つことができたのです。そこでさっそく起案して会社に承認をもらい、2021年1月から1カ月間にわたって全社規模でのオンライン研修を実施しました。

 

――12月に決定し、翌月に全部で20回の開催ということで、イマココラボ側もリソース確保に奔走しました(笑)。オンライン研修には全国各地から約700名の社員が参加しましたが、反応はいかがでしたか?

渡部 年末年始を挟んだ短期間での開催告知にもかかわらず、多くの社員が参加してくれたと思っています。1コマ2時間半の研修は少人数のグループに分かれてのディスカッションが中心で、正解があるテーマではありません。それでもSDGsについて気づいてほしいこと、伝えたいことはしっかり伝わっている印象を受けました。日常の業務と直接関係のないテーマを他部署の人と意見交換するという経験は新鮮さもあり、組織の活性化という意味でもオンラインの希望参加制のスタイルはよかったと捉えています。

今回の研修の目的は「SDGsをまず知る」でした。この後のステップをどう踏み出していくのか。それが今の課題です。全社規模でのオンライン研修がゴールであれば「やってよかった」だけで終えられるのですが、そういうわけにはいきません。企業としてSDGs達成に貢献できることを、その仕組みも含めて考え続け、できることから取り組んでいく必要があると考えています。当社はSDGsという言葉がまだ無いころから「はたらく」を通じて、さまざまな社会課題の解決に取り組み、事業を成長させてきました。今後起こる環境変化においても、事業を通じてこれまで以上の価値提供を実現していくことで、SDGsの達成に貢献できるのではないか。それを社員にもっと広く知ってもらい「はたらいて、笑おう。」を実現することで、SDGsの達成に貢献する企業としての一つのステップになるかもしれないと考えています。

 

――最後に、カードゲーム体験から全社規模での研修実現までを振り返っての感想を教えてください。

渡部 冒頭でお話したように、初めて連絡を取った時点ではトップマネジメントへのカードゲーム実施という考えだけで、全社員を対象にした研修は念頭にありませんでした。まずは思いきって踏み出して、そこから一歩ずつ進んでいく中で、結果としてつながっていったという感じです。今振り返ると、すべてが必要なプロセスだったような気がしています。

 


アンケート ポジティブ9割の回答

感想(抜粋)

・「やらなければいけないこと」ではなく気づいたことから身近なことから手を付けること、それを一人一人が意識をすることで、やがて環境を変えるくらいの大きな力になると感じた。

・家族・隣のデスクの方・オフィスでといった形で、何か取り組みを行い、社会に広がっていけば素敵なのではないかと感じました。

・私たちにとって最も身近で大切にしている「雇用」をキーワードに、社会の問題をとらえることができそうと感じています。自社の新たな事業領域とのつながりを考えていきます。

・「はたらいて、笑おう。」の世界観を実現する施策がSDGsにつながると思うので、仕事につなげたい

 

――イマココラボは、担当者の方がどんな体験をされ、そこから何を考えられているのか?
そのプロセスを共にサポートさせていただくのが役目だと考えています。正解がないSDGsに対して700名の方がSDGsについて本気で考え、それを自分事として考え続けるきっかけ作りを共にさせていただくことが出来て大変うれしく思いました。
このオンライン研修を経て、次に渡部さんが何をお考えになられるのかを、またお聞きしてみたいと考えています。
半年にわたりご一緒させていただきありがとうございました。

 

  会社名 事業内容 従業員数
パーソルテンプスタッフ株式会社 労働者派遣事業・有料職業紹介事業 50,774名
※2020年3月31日現在

 

▶SDGs研修事例紹介はこちらから