【オンライン研修】センクシア(株)SDGsは「正解のない問い」答えを探す挑戦

建築部材・構造部材や耐震補強システム、資材運搬用のチェーンやスプロケット等の部材を主力商品として取り扱うセンクシア株式会社。中期経営計画策定の折、SDGs・ESGを推進するため、部門横断型、かつ、若手中心で構成する17名のプロジェクトチームを立ち上げました。2021年3月末までの約5カ月で、自社の課題選定と目標設定、更に、経営陣への提案までがプロジェクトのミッションです。

プロジェクトチームの運営事務局に任命されたのは、経営戦略本部の西川淳さんと中島由紀さん。
「会社としてもSDGsへの取り組みは全く初めてで、プロジェクトメンバーの知識もマチマチ。どのように進めていけばいいのか、すごく迷いました。」と語った2人は、その後、どのようにマネジメントしていったのでしょうか。お話を聞きました。

センクシア社内画像

お話を伺った方

・西川 淳さん 経営戦略本部 経営企画部 部長
 プロジェクト発足当初から運営事務局を担当
 経営層とプロジェクトメンバーの橋渡し役
・中島 由紀さん 経営戦略本部 経営企画部
 プロジェクトの運営事務局としてメンバーのサポートをする役割

 

挑戦の始まり、プロジェクトメンバーを公募

–SDGsESG推進を目的としたプロジェクトメンバーは、どのように募集されたのですか。

西川 最初は公募で『自ら手を挙げてください』と伝えて、20代30代だけの若手を集めました。若手のほうがフレッシュなアイデアが出そうだし、感覚もベテランとは違ったものがあるだろうと考えたからです。ただ、中堅社員も加わったほうが考え方に厚みが出るというアドバイスが社内からありまして、中堅のマネージャー4名に入ってもらいました。

 

公募で手が上がる方が十数名もいらっしゃるというのは、すごいですね。

西川 半分ぐらいのメンバーは、「純粋に興味がありました」「もともとこういうことを考えていました」という意欲のある人たちでした。しかし、募集期間後半は、応募が鈍ってきて。そこで、勢いのありそうな若手をピックアップして、上長に「もし良かったら、声をかけてもらえませんか?背中を押してもらえませんか?」と依頼しました。その後、参加してくれたメンバーに聞くと「本当は参加したいと思いつつ決めきれずに迷っていた」と話す人がほとんど。実はこんなにも意識の高い人たちが社内にいたのだと知りました。中堅のメンバーも、「特に意識していなくてもSDGsは耳に入ってくる、目に入ってくる時代だからやらなきゃいけないだろう」という意識を持っていました。

 

SDGsを理解するカードゲーム体験

–SDGsの理解を目的に、役員の皆様とプロジェクトメンバーの38名にカードゲーム「2030SDGs」を使った研修を実施しました。参加した皆さんの感想はどうでしたか。

中島 私も参加しましたが、SDGsを漠然と理解してはいても、実際に体感するのはまったく違うというのが最初の印象でした。カードゲームで「私たちの選択や協力で世界を変えられる」という感覚を体験し、SDGsに対して「自分の選択で変えられるのだ」という感覚を持ちました。同時にひとりだけでできることの限界も感じて協力することの必要性にも気づけました。

西川 最初はプロジェクトメンバー17名でのワークショップ実施を企画していました。ですが、イマココラボさんとの打ち合せで経営に携わる役員層の意識の重要性についての話をいただき、社長に相談したところ、この機会に役員も一緒にワークショップを受けようという流れになりました。このタイミングで社長をはじめとした役員のSDGsに対する理解が深まったことで、プロジェクトチームも動きやすくなったと思います。

 

体験を通じて何ができるか?を苦しみながらも考え続ける

カードゲーム研修のあと、2回目の研修としてチームビルディングの要素を含んだ研修をさせていただきました。その後、何か変化はありましたか。

中島 この研修ではメンバー同士の関係性の質を高めることに取り組み、チーム内の心理的安全性が高まりました。チームでの対話がしやすくなっている様子で、そこに変化を感じました。一方で、プロジェクトで求められるミッションはずいぶんと大きなもので、会社からの明確な指示や方向性もない。対話で深めた想いやゴールと、実際の道順というか、プロセスが結びつかず、どう進んでいけばいいのか迷いが出ました。そこで改めてイマココラボさんへ相談をさせていただきました。

 

ご相談いただき、研修後の振り返りとしてオンラインでお二人に加えて中堅メンバーも交えてのフォローアップの時間を設けさせていただきました。

西川 フォローアップの時間で、イマココラボさんから「事業とSDGsをこう結び付けたらいいのでは?」といった具体的なアドバイスがいただけるのではないかと、実は少し期待していました。 ところがそうではなくて、自分たちで答えを探すことがSDGsに取り組むということだ、と言われた。まさに目から鱗の発想です。それまでモヤモヤしていたのですが、イマココラボさんと話をしているうちに、そのモヤモヤを持ち続けながら、自分たちにとっての答えを探すのだと理解することができました。

 

確かに答えがないのは不安ですよね。どうしても答えがほしくなるし、その答えをくれないことがジレンマになります。

中島 やはり、成果を急ぐと、今ある事業の延長線上で目標を立てるようになります。SDGsは、ありたい未来から逆算して考えるバックキャスティング思考だと教わりましたが、「そうは言っても、未来のことより、今、会社に利益をもたらすことをきちんと考えないといけないのではないか?」と悩みました。

西川 フォローアップで、イマココラボさんからの問いかけを受けて、自分たちと向き合っていくことをして、少しずつ自分たちの内側にある考えや思いが共有されていきました。そうすると不思議なことではありますが、自分たちにある可能性や希望のようなものが感じられるようになりました。明確な答えがでたわけではないですし、モヤモヤや不安のようなものは残り続けましたが、同時にこのチームなら前に進んでいけそうだ、という手応えを感じた時間でした。

 

答えはない、でもその中でやっていく

研修後のチームの様子はいかがですか。

中島 正解がない中で、迷いながらも進んでいます。中期経営計画に沿った実施目標を作るなら、今ある事業に結びつけて数値や具体策を出すのが筋だろう」という意見と、「10年先、20年先の未来から見据えた、あるべき姿から描くストーリーを会社として持っているべきだろう」という意見がある。どちらが正解という話ではないですよね。でも、3月末というプロジェクト期限のプレッシャーがあるわけです。

西川 チームのゴールは、課題やKPI(重要業績評価指標)を設定して、その後の社内への浸透のさせ方を考えるところまでです。3月に提案を出すという観点だけを考えれば、今ある事業に結びつけて、既存の事業の延長線上で考えるのがやりやすいわけです。ただ、それだけでは本質的なSDGsへの取り組みではなくなってしまう。どちらか一方という話ではなく、まさに正解のない問いとして、チームで向き合いながら進んでいくしかない。時間に追われてチームで議論を尽くすことができないまま、形だけゴールしても意味がありません。事務局としては、議論できる環境を整えることに力を注いでいます。その結果として仮に提出が遅れるなら、事務局が役員を説得する、と腹をくくっていますし、メンバーにもそう伝えています。迷いながらも、皆さん歩みを進めてくれています。

 

「問いかけ」が意識を変えていく

西川さんと中島さんは、すでにバックキャスティング的な発想でプロジェクトを進めていらっしゃるようですね。

西川 そこは、研修やフォローアップ含め、イマココラボさんからの影響が大きいと思います。イマココラボさんの研修では、いつも自分たちの考えを上手に引き出してくれる問いかけをしてくれました。自分はそれをどう考えているのだろう、と考えを深めるきっかけになったと思います。ですから、私もプロジェクトの議論の際は、イマココラボさんがしていたように、まずメンバーの考えを引き出すように問いかけています。

中島 私自身もイマココラボさんに自分が今なにを感じているのか、考えているのかを丁寧に問いかけてもらったことで、今まで自分でも思いもしなかった考えに気がつき、視野が広がりました。あの体験は驚きでしたね。

 

当初は運営に迷われていた、困っていたとお聞きしましたが、現在のお二人からは力強さすら感じます。

中島 進むしかないという感じです。そうですよね、西川さん(笑)。

西川 (笑)。イマココラボさんとの濃密な時間で、運営の仕方を学んで私たちも変わってきたと思います。

 

— メンバーの方たちには変化はありますか?

中島 中堅メンバーから若手メンバーへの問いかけ方は、イマココラボさんの問いかけと対話を体験したから出てくるものだなと感じることが多々あります。 

西川 たしかに、すごく変わりましたね。10月のスタート時はプロジェクトメンバーみんな、「とにかく事業に貢献しなければならない」と気負って視野が狭くなっていましたから。その時から比べると貢献するという思いは変わらず持ちつつも、メンバー同士で問いかけ、相手の考えに耳を傾けるなど、チームの雰囲気も確実に変化していて、安心して議論できる土台がチームにできています。その土台と関係性の中でプロジェクトメンバーがどのような絵を描いてくれるのかが楽しみですし、プロジェクトが解散した後もこのプロセスが我が社の未来につながっていくと考えています。

 

「はっきりとした正解はない」。その状態はモヤモヤして居心地が悪く、不安でもあります。その居心地の悪さや不安を抱えながら、それでも、そこから新しいものを創っていくプロセスの中で自分を起点に選択し行動を起こすことが大切なのだと今回のインタビューで改めて感じました。

 正解のない問いを持ち続けながら、変容にチャレンジしていくセンクシアさんに、これからどんな変化が起きていくのだろう?と、楽しみにしています。

■企業情報

  会社名 事業内容 従業員数
センクシア株式会社 建材機器、チェーンの製造・販売及びそれらの関連工事 420名
(2020年3月31日現在)