SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。そもそもどう発音するかというと、SDGs(エス・ディー・ジーズ)です。時々エス・ディー・ジー・エスと読まれる方がいらっしゃるのですが、最後はGoals(ゴールズ)の略です。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

この写真は、SDGsが採択されたときに、国連の壁にプロジェクションマッピングでお祝いをした模様を写したものです。カラフルで喜ばしい感じが伝わってきますね。


UN Photo/Cia Pak

17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

 

SDGsの17の目標

17の大きな目標の中身を少し見てみましょう。

この6つの目標を見ていると、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など開発途上国に対する支援に見えます。

しかし実際には、日本の子どもの6人から7人に1人が貧困だと言われていたり、ジェンダー平等に関しても2018年12月に世界経済フォーラムで発表された数字によると149カ国のうち110位と、とても低い数字になっていて、これらの目標は先進国である日本国内でも当てはまることだと言えます。

 

では次の7~12を見てみましょう。

 

この辺りになると、エネルギーの話、働きがいや経済成長の話も出てくれば、まちづくりの話まで出てきます。これらはまさに先進国である日本も密接に関係する目標です。

 

さらに、13~17を見てみましょう。

 

ここの辺りまで来ると、気候変動の話、海の話や陸の話まで出てくるので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、もっと包括的な話になってきます。

SDGsが世界でこれだけの広がりを見せているのは、開発途上国だけではなく先進国も、働きがいや経済成長までも踏まえたものだからだと言えるでしょう。

 

SDGsの169のターゲット

それでは169のターゲットを見てみましょう。

サンプルとして、一番はじめの「1. 貧困をなくそう」を見てみようと思います(以下の表)。

これ以外に17目標それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

以下、雰囲気を感じ取っていただきたいだけなので、細かく見る必要はありませんよ。ちゃんと理解しようとすると嫌になってしまいますので飛ばしてください 笑

 

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新技術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの多大な資源の動員を確保する。
1.b 各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

 

中身を見てみると1.2の最後に書いてある「~半減させる」という具体的な目標もあれば、1.3「~十分な保護を達成する」という漠然としたものも含まれています。そのため、169のターゲットのさらなる詳細版である具体的な数値目標が書かれた232の指標を策定することになりました。

SDGsを理解するときに、17の目標、169のターゲット、さらにその下に232の指標がある、3階建てのビルだと考えると分かりやすいかもしれません。

169すべてのターゲットはこちら(日本語)にまとまっています。アイコンをクリックすると詳細が出てきます。

また169ターゲットの詳細である全244の指標(重複を除くと232の指標)も総務省がまとめたPDFがこちらにあります。

 

世界におけるSDGsと達成状況

SDGsがパワフルなところは、この数値目標を定期的にモニタリングしていくことです。その進捗をモニタリングしていく枠組みとして、国連ハイレベル政策フォーラム(HLPF:High Level Political Forum)というものがあります。

 

具体的にはSDGs達成に向けての進捗状況を各国が自分たちで報告を行うというものです。そのレビューが毎年7月頃に行われています。

2017年の進捗報告では、ピコ太郎さんがSDGsのPPAPバージョンを作り国連で披露したことでニュースでも取り上げられたので覚えている方もいらっしゃるかもしれません。ピコ太郎さんによってSDGsの認知度を上げるための一役を担ってくれました。

 

毎年7月に行われる報告に追加して2019年は9月には初の首脳級、日本で言えば安倍首相が国連で日本のSDGsに関する進捗を発表します。2019年は今まで以上にSDGsという言葉を聞く年になりそうですね。

 

イマココラボでは、難しく思われがちなSDGsをカードゲームを通じて、楽しみながら体験を通じて学ぶために2030SDGsカードゲームを開発したのですが、そのカードゲームを体験していただいた多くの方が「全体で達成する目標が見える化されてたので自分自身の行動が変わった」と言います。

 

そして「実際のSDGsの達成状況は見える化はされていないのか」という質問もよくいただきますが、前の国連事務総長であるパンギムさんが立ち上げたNPO団体によって以下の進捗状況がまとめられています。

この表では緑が達成で、赤に行くほど未達成を意味します。

 

このように世界の状況を一覧で見れることでOECD各国とアフリカでは大きな差があることが分かります。また、このように一覧で見れることで自分たちが何をしなければいけないかが明確になります。

ここではOECDとアフリカの2つのみを掲載していますが、他地域の進捗状況は各地域単位でまとめられているので詳細はこちら(PDF/英語)を見てください。

 

このように世界全体で取り組む壮大なSDGsの世界観を理解しようとするとかなり難しい感じがしますが、カードゲーム「2030SDGs」は楽しみながら本質を体験することができます。

カードゲームについて知りたい、体験できるイベントに参加してみたい、という方は以下をご参照ください。体験会については、様々な場所で実施されています。

 

体験会の場所や日程はメルマガでもご案内していますので、ご興味がある方はぜひこちらからメルマガ登録してください。

 

それでは、次に日本におけるSDGsをご紹介していきます

 

日本におけるSDGs

まず、日本政府におけるSDGsの動きを見てみましょう。

日本では2016年5月20日に安倍総理が本部長、すべての国務大臣がメンバーになり、第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が開催されました。また、それ以降も毎年2回同じメンバーで開催されていて、その中で日本におけるSDGsに関わることが決定されています。

2回目の会合でSDGs全体に関わる内容を以下のように述べています。

「持続可能な開発目標(SDGs)の実施指針を本日決定しました。日本は、これまで、持続可能な経済・社会づくりのため、国際社会のモデルとなるような優れた実績を積み重ねてきています。

今回決定した指針には、経済、社会、環境の分野における8つの優先課題と140の施策を盛り込みました。この指針で、世界に範を示し、持続可能な世界に向けて、国内実施と国際協力の両面で国際社会をリードしてまいります。

一点目は、国際保健の推進です。国際保健機関に対し、総額約4億ドルの支援を行う予定です。

二点目は、難民問題への対応です。今般、新たに5億ドル規模の支援を行います。

三点目は、『女性の輝く社会』の実現です。2018年までに総額約30億ドル以上の取組を行います。

来年7月には、国連で我が国の取組の報告も行う予定です。関係閣僚においては、今後も本実施指針の下、緊密に連携し、政府一丸で取り組むようお願いします。

出典:首相官邸

日本はSDGs関連に9億ドルの支援、30億ドルの取り組み、つまり日本円にして合計約4000億円を投資すると言っています。

もちろん、多くのものがこれまで取り組んでいたものを改めてSDGsの枠組みで表現しなおしているのだと思いますが、首相自らこのような宣言をすることは大変意味があり、日本のSDGsに対する姿勢を表しているものだと言えます。

 

また、SDGsに関して政府主導でいろいろな取り組みが行われています。2019年年初に発表した「SDGsアクションプラン2019」に沿って代表的な取り組みの見てみましょう。

SDGsアクションプラン2019の骨子は以下の3つになります。

  1. SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進
  2. SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
  3. SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント

出典:官邸HPより

分かるような分からないようなちょっと難しい感じがしますね。

中身をかみ砕くと、①は経済やビジネスの観点から、②は地方創生の観点から、③は女性活躍推進、高校無償化、高齢化など主に人にまつわる観点から推進されています。

 

それぞれの観点からもう少し詳細を見てみましょう。

 

① 経済、ビジネスにおけるSDGs

まずは「①SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進」は経済、ビジネスの観点からうたっていますがその背景を見てみましょう。

 

経済、ビジネスの観点で一番インパクトがあったものは、間違いなく2017年11月に経団連が7年ぶりに行動企業憲章を改定したことです。その中で、Society5.0(ソサエティー5.0)というコンセプトのもとSDGsに本気で取り組む、と述べた流れを汲んでいます。

経団連は一部上場企業の7割が加盟していて経済界でもっとも影響力がある団体です。その経団連、つまりビジネスの力を使ってSDGsを実現していこう、というものです。

出展:経団連HPより

これまでは企業はどちらかと言えば、儲けたお金の一部、余ったお金を使って社会に良いことをやろう、という発想だったものが、SDGsでは本業を通じて儲けながら世界を変えていこう、という発想の大きな変換があります。ビジネスの力、お金の力を使って世界を変えていこうという現れでもありSDGsの可能性を感じる部分でもあります。

ちなみにSociety5.0とは以下で表現されています。
狩猟社会(Society1.0)
農耕社会(Society 2.0)
工業社会(Society 3.0)
情報社会(Society 4.0)
超スマート社会(Society 5.0)

人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ第5の新たな社会を、デジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現する、という意味でSociety5.0が作られました。こうやってみるとなるほどなーという感じですね。

ちなみに経団連はSDGsの特別ページを作っていて、企業文脈からSDGsを推進していこう、という本気度が感じられます。

 

② 地方創生におけるSDGs

次に「②SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり」は地方創生の観点で書かれていますがその背景を見ていきましょう。

SDGsが合意されて以来、各地域ではSDGsを活用して地方創生を実現していこうという流れになっています。2019年7月1日に発表されたSDGs未来都市はその1つの象徴的な動きです。31の都市が選ばれ、10都市には予算を付けて推進しています。ちなみにこの取り組みは2018年から実施されています。

 

SDGs未来都市とは、持続可能な都市・地域づくりを目指す自治体を選定し政府として予算もつけてサポートしていこうという取り組みです。

特徴的なものが、その取り組みを「経済」、「環境」、「社会」の3つの観点から持続可能性を見ているところです。

実際に2019年7月に選定された都市の1つである「福島県郡山市」を見てみましょう。

出典:内閣府 SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の選定について

これを見てみると持続可能な都市を「経済」、「環境」、「社会」で定義していることが分かります。福島県郡山市に限らずすべての都市が同じフォーマットで表現されているのですが、この3つのバランスを取ることが持続可能を実現する上で大変重要だということがよく分かります。この3つをトリプルボトムラインと呼ぶこともあります。

ちなみに、こちらが2019年7月に選定された都市一覧です。

これを見てみると愛知県でも選定されていますし、同じ県にある豊橋市も選定されているのが面白いですね。
選定された各都市がどのような取り組みを行っているかはこちらに詳しく書いてあるので興味がある方は見てみてください。

ちなみに、イマココラボが開発したカードゲーム「2030SDGs」も参加者全員で創り出す世界は「経済」、「環境」、「社会」のバランスを取ることが重要になります。興味があればぜひこちらのイベントに参加して体験してみてください。

それでは、次にSDGsのビジネス的な観点をご紹介していきます

 

③次世代・女性のエンパワーメントとしてのSDGs

最後の「③SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント」を見てみたいと思います。

 

そもそもSDGsはあまりにも広い範囲を全体的にカバーしているので、3つに分けることは困難なのですが、③は①の経済やビジネス、②の地方創生でカバーしにくい部分、特に人にフォーカスした内容になっています。

③でカバーされるキーワードは例えば、「働き方改革」、「女性の活躍推進」、「ダイバーシティ・バリアフリーの推進」、「子供の貧困対策」、「次世代の教育振興」、「健康経営の推進」、「感染症対策等保健医療の研究開発」などそれぞれが膨大な内容をカバーしています。

 

ここではこれ以上詳細を取り上げませんが、ぜひこれらのキーワードで検索してみることでさらなる詳細を理解することができます。

ちなみにこれらの概要は、官邸ホームページにある持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合(第6回)で話し合われた、資料1「SDGsアクションプラン2019」(PDF)に詳細が書いてありますのでぜひ読んでみてください。

 

世界のトレンド、SDGsとESGs

持続可能な世界を実現する動きは、世界の投資家を中心としたビジネスの観点からも加速しています。

 

世界の解決すべき課題を環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの観点から行おう、その頭文字をとってESGといい、ESGに配慮した責任ある投資をESG投資といいます。
これは投資家が、短期的な収益だけではなく、中長期的企業価値、つまりSDGsの達成に貢献している企業がESG投資の対象になるという考え方が浸透しつつあるということです。

 

ちなみに、ESGsとSDGsを整理すると、同じ持続可能な世界の実現を2つの視点で表現していることになります。

世界全体でみるとESG投資は2500兆円を超えています。ちなみに日本の国家予算を100兆円ですので、日本の1年間で使うお金の実に25倍のお金がESGsとして持続可能な世界や社会に貢献する企業に投資されている、ということです。

本当? なぜそんなことが起こっているの? と思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ビジネスの観点から今投資家の間で起こっていることを紐解いてみたいと思います。

実は、投資家がいきなり儲けばかりじゃダメだ、もっと環境や社会にいいことをしたい、と聖人として生まれ変わったわけではありません。言葉を選ばずに言えば「儲けの手段としてESG投資を行っている」ということです。

例えば、世界最大手の投資運用会社のひとつである米ブラックロックが2012年から2018年までの投資リターンにおいて、ESGファンドが従来型ファンドを上回ったと2019年2月に発表しました。すなわち持続可能な世界に考慮していない企業に投資するよりも、持続可能な世界に考慮する企業に投資したほうが儲かるようになった、ということです。

 

逆に消費者が持続可能な世界に考慮していない企業の商品は買わなくなり、持続可能な世界に考慮している企業の商品を好んで買うようになっている、とも言えます。その結果、実はこの10年で企業経営がガラリと変化しています。

 

分かりやすい例で言えば、スターバックスのコーヒー豆は99%がフェアトレード、つまり、発展途上国で作られたものを適正な価格で取引することによって持続的な生活向上を支えるための仕組みで作られています。

他にも、ナイキやGAPでも数年以内に綿製品が100%オーガニックコットンで作られているそうです。従来製品は大量の枯葉剤が使われ、大気汚染、土壌や水質汚染で大きな問題になっていたためです。

 

このような活動が企業のブランドイメージを支え、消費者から支持され、その結果売り上げが上がる、投資家から見れば儲かるという循環になる、ということです。

 

ビジネスの地殻変動とパリ協定

もう1つお金の流れが大きく変わった見逃せない動きがあります。それがパリ協定です。

 

パリ協定って、二酸化炭素の排出量を制限するものだよね? なぜそれがお金の流れを変えるの? と思うかもしれません。

 

パリ協定とは正確には、気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑えるというものです。(1.5度未満にする努力目標も加えられています)そのため、21世紀後半までに温室効果ガスの排出量を実質的に0にしよう、というものです。そのために各国に排出量の枠が決められました。(温室効果ガスとは、地球温暖化に影響を与える二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスのことを言います)

 

これを投資家の観点から紐解くと、この日を境に化石燃料で稼いでいる企業に投資することが一気にリスクになった、ということです。

 

どういうことかと言うと、今ある化石燃料を全部使った場合に排出される二酸化炭素の量は以下図の左側のようにカーボンバブルと呼ばれ3兆トン弱と言われています。一方パリ協定で合意された排出できる二酸化炭素の量はその約3分の1です。つまり、残りの約3分の2の化石燃料は持っていても使用できない資産になった、パリ協定を経て資産が資産でなくなることが決まった、ということです。このことを座礁資産(価値が一気になくなる資産)と呼びます。

 

具体的な例で説明してみましょう。投資家はこれまで、化石燃料に投資して安定的な利益を上げていました。背景には化石燃料はまだまだ地中に大量に埋まっていて、安定的な資産だと考えていました。ところが、パリ協定で化石燃料が全部使えないことが決まり、資産だと思っていたものがこの日を境に資産ではなくなってしまった、ということになります。

これを象徴する出来事が2015年のパリ協定合意後の2016年にロックフェラー家基金がエクソンモービルの株式を売却したことです。なぜ象徴的かと言えば、ロックフェラー家は石油により巨万と富を得たのですが、そのロックフェラー家が自分たちが作った石油会社であるエクソンモービルの株式を売却したからです。自分たちの象徴とも言える会社から投資を撤退させるということは、化石燃料に頼ることが本当に投資の観点からしてマイナスということが言えるということです。

このように投資を引き上げることをダイベストメントと言います。投資を英語ではインベストメント(Investment)と呼ぶのですが、投資撤退をその逆のダイベストメント(Divestment)と呼びます。

ダイベストメントは世界中で600兆円がすでにダイベストしたと言われ、その勢いは益々加速すると言われています。(出展:Arabella advisors

 

世界最大級の投資会社ステート・ストリートは、「2008年のリーマンショック以降、より大きな利益を得るためには、金融以外の物理リスク、訴訟リスクを回避するためにもダイベストメントしESG投資へ回す必要がある。我々はすでに18兆円ESGに投資した」と言っています。

もちろん、より持続可能な世界を創り出すことに貢献するという観点もあるのでしょうが、あえて投資家的、ビジネス的な表現をすれば、リスク回避のためにESG投資をする、というものです。

 

これが今、ビジネスで起こっている地殻変動でお金の流れが一気に変わった理由です。私たちの身の回りに変化を感じ始めるにはもう少しかかるかもしれませんが、確実な変化はすでに起こっています。

 

 

日本のビジネスセクターにおけるSDGs

我々の年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、2015年9月28日にPRI(責任投資原則)に署名しました。PRIとは前述したESGに配慮した投資を行うための国連が定めた宣言です。

GPIFは運用資産額は126兆5771億円で世界最大のファンドですが、GPIFがPRIに署名するということがどういう意味かと言うと、日本でも世界の動きに連動し投資家の視点からSDGsの達成に貢献する企業へのESG投資がさらに高まっていっている、ということです。GPIFは数年以内に3兆円程度をESGs投資へ変更していく、と言っています。

実際に日本でESG投資を行っている投資家の方とお話しする機会があって聞いてみたのですが、SDGsの達成に貢献する企業に対してESG投資をしたいと思っているが、見合う企業をなかなか探せない、という感じのお話しをされていました。今こそSDGsの達成に向けた企業活動こそが、良質の投資を受ける機会につながっていくのでしょう。

さらに日本企業における状況を見て行きましょう。

 

日本企業におけるSDGs

GCNJと公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)により作成された「動き出したSDGsとビジネス~日本企業の取組み現場から~(PDFダウンロード)」によると、SDGsの認知度は総じて高く、CSRレポートでSDGsに言及したものが2015年にくらべて2016年は圧倒的に増えており、CSR担当者の認知度は84%に達しています。一方で、経営層の認知度は28%に留まり、中間管理職においては、4~5%程度に低迷しています。

さらに2018年3月14日に同団体から発刊した「未来につなげるSDGsとビジネス~日本企業の取組み現場から~(PDFダウンロード)」でも同じアンケートを行っていますが2016年にくらべて2017年は若干増えているだけで未だ認知度はそれほど高くなっていません。

日本企業でもSDGsに対して積極的に取り組む企業が増えていますが、多くの企業は未だCSRの一環としてSDGsを捉えている、といのが現状のようです。

また、一方でSDGsをビジネスチャンスとして捉えた企業が注目を浴び、環境や社会に配慮した優良企業というイメージアップにもつながる好循環も生まれています。

ビジネスにおけるSDGsの動向を無料メルマガでも定期的に紹介していますので、ご興味がある方はぜひこちらから登録してください。

 

ちなみに、上に紹介した「動き出したSDGsとビジネス~日本企業の取組み現場から~(PDFダウンロード)」は、企業がビジネスとしてどのようにSDGsに取り組んでいくか、日本企業のべ250社へのアンケートや聞き取り等をもとに、現状での取組みに関する実態を明らかにしているもので、大変参考になるのでぜひ読んでみてください。

また、持続可能な開発目標CEO向けガイド(PDFダウンロード)は、wbscbが作ったCEO向けガイドでCEO視点でSDGsに関するビジネスの現状やビジネスチャンスに関する概要が書かれていて大変まとまっています。もし経営陣がどこからはじめるのか、という状態であればここから始めるのも大変参考になると思います。

 

企業のSDGs導入事例


バックキャスティングで発想する組織へ「ビジョン&事業計画策定プロジェクト」

現状の延長線上にある未来ではなくバックキャスティングからビジョンを創造し、事業計画を策定した事例です。

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SDGs的な視座を高め主体性を発揮するリーダーシップ3.0

1.SDGs的視点の高い視座、2.自部門を越えた横連携、3.自分を見つる内発的動機からの行動、この3つを目的とした合宿型研修の事例です。

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体験を通じた腹落ち感 ~某メーカーのSDGs浸透への第一歩~

楽しみながら本質をつかむ。SDGsを社内に浸透するための入り口としてSDGsカードゲームを利用した標準的なアプローチをまとめた事例です。

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SDGsに関する参考になるリンク集

以下にSDGsに関する参考リンクをまとめました。上記にすでに紹介したものも含まれますが、SDGsの目標達成を進めるためにご参考ください。

官邸ホームページ・・・首相官邸としてSDGsに関するオフィシャルに出している情報。持続可能な開発目標(SDGs)推進本部の議事録や資料等も掲載

外務省ホームページ・・・SDGsに関する日本として発信している様々な情報。ハイレベル政治フォーラム(HPLF)のサマリー資料等も掲載

経団連SDGs特設サイト・・・・経団連が推進するSDGsに関わるサイト。17の目標毎に、企業事例等も掲載。

169ターゲットの詳細である全244の指標(重複を除くと232の指標)(PDFダウンロード)・・・17の目標の下にある169のターゲットのさらに詳細である230の指標の一覧とTier1から3の分類(リンク先:総務省)

Tier Classification for Global SDG Indicators(PDFダウンロード)・・・17の目標の下にある169のターゲットのさらに詳細である232の指標の一覧とTier1から3の分類(リンク先:国連Statistic Division)

※例えば「8.9 2030年までに、雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。」と言った時、各国において何をもって観光とするか、など定義する範囲が異なっているものもある。そのため、230の指標をTier1(ティア1)、Tier2(ティア2)、Tier3(ティア3)の3種類に分けている。

Tier1・・・概念が明確、かつ国際機関等が基準設定があり、定期的に発表しているもの
Tier2・・・概念が明確、かつ国際機関等が基準設定があるが、定期的な発表に至っていないもの
Tier3・・・基準設定もされていないもの

Tier3に関しては今まで基準がなかったこともあり、現時点で確定しておらずさらに継続検討していこうとしているがが、このように全世界で同じ枠組みで考えよう、進めようとしているところがSDGsの素晴らしいところだとも言える。

SDG Index & Dashboards Report・・・すべての国のSDGsの進捗状況の一覧

動き出したSDGsとビジネス~日本企業の取組み現場から~(2017年3月)(PDFダウンロード)・・・企業がビジネスとしてどのようにSDGsに取り組んでいくか、日本企業のべ250社へのアンケートや聞き取り等をもとに、現状での取組みに関する実態を明らかにしています。(リンク先: GCNJ)

未来につなげるSDGsとビジネス~日本企業の取組み現場から~(2018年3月)(PDFダウンロード)・・・企業がビジネスとしてどのようにSDGsに取り組んでいくか、上の2017年に発刊された「動き出したSDGsとビジネス~日本企業の取組み現場から~」のアップデート版です。(リンク先: GCNJ)

SDGs Compass・・・企業がSDGsを経営戦略と整合させ、SDGsへの貢献を測定し管理していくかに関しての指針、ステップが紹介されています。かなり実践的です。(リンク先:GCNJ)

SDG Matrix・・・SDGsの達成に向けた企業の取組みや事例を紹介されています。世界各国の多くの企業事例が掲載されています。(リンク先:GCNJ)

Better Business Better World(日本語要約版)・・・2017年1月に世界経済フォーラム(ダボス会議)でSDGsに関連する調査・データ。その中で「SDGsが達成されることで、食料と農業、都市、エネルギーと資材、健康と福祉の4分野において、2030年までに少なくとも12兆ドルの経済価値がもたらされ、最大3億8000万人の雇用が創出される可能性がある」と指摘されたことでも注目されている。(リンク先:Business Sustainable Development Commission) ※英語版のフルバージョンはこちら

 

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