社会課題解決に向けてNTTデータの取り組み ~テーラーメイド研修でSDGsの学びを最大化~

社会課題取り組みへの機運がますます高まっているNTTデータ様の技術革新統括本部から、オンライン研修 or 対面式カードゲームの選択形式で、約750名の方に受講いただきました。 SDGsの本質的な理解がビジネスを生み、それが企業の営利にもつながる。サステナブルな社会を実現するためのマインド向上を実感いただいた様子を技術革新統括本部の担当者の道祖本様に伺います。

社会課題解決に向けてNTTデータの取り組み ~テーラーメイド研修でSDGsの学びを最大化~

NTTデータ技術革新統括本部というイノベーティブ集団の思考ベースラインを、きゅっと引き上げた研修でした。

導入の経緯

本部からサステナビリティ、特にSDGsについての、
社内浸透を狙ったワークショップの展開を勅命

多くの方に提供させていただいてきたthe SDGs @ オンライン(旧 オンデマンドクラス(オンライン型ワークショップ))と、2030SDGsゲーム(対面型カードゲームワークショップ)を採用いただきました。
参加者の気付きの視点が豊かで、イマココラボとしても楽しみながらワークショップをさせていただきました。
今回のワークショップの導入経緯は、本部からサステナビリティ、特にSDGsについての社内浸透を狙ったワークショップの展開という意向を受けてでしたね。


そうです。全社同一のワークショップを展開するのではなく、全部門、それぞれの担当者が各自部門へワークショップを展開する指示でした。これまでにない珍しいスタイルで、我々もどう展開しようかという話になりました。
サステナビリティという答えのないものに対して、企画段階からその部門で頭を悩ませて、みんなで考えるところから入ってほしい、という思いが本部のサステナビリティ部門にあり、個々の部門ごとに考えてみてくれという指示に、我々も前向きに自組織の中にどう展開していくかを検討するところから始まりました。


そうだったんですね。
各部門ごとに同じトピックでワークショップを企画するとは、面白いですね。今回のように、自分たちで創っていくスタイルは、NTTデータのカルチャーのようにも感じます。
サステナビリティの社内浸透が今回のテーマでしたが、これまで以上に力をいれていらっしゃるのでしょうか。


サステナビリティについては、少し前はCSR等の社会的な責任として、近年ではESGという流れに変わり、少しずつ変化しながらも社会貢献、社会課題を解決をするという取り組みを続けてきています。最近その機運はますます高まっています。特に今年度(2022年度)からは、我々の新中経の目標で、Realizing a Sustainable Futureとされています。 そこに向かっていけるように、かなり力が入り始めていると私個人も感じています。

イマココラボの選定理由

受講しやすい短時間のオンラインワークショップ
関心の高いメンバーには対面式カードゲームを
取り組みやすく楽しみながら、本質を学べる研修が実現

今回はワークショップの企画が各部に任されていたということで、他社と比較検討されたと思いますが、イマココラボを選んでくださった決め手はどんなところでしたでしょうか。


決め手は、やはりカードゲームがとても印象的だったというのがありました。
我々だけではサステナビリティの知見やノウハウがないので、専門家の方にお話いただくようなワークショップにしようという方針は決めて、色々検討しました。また、我々の部署は、SDGsに詳しい人はいるものの、何だろう?という人の方が多いと感じていたので、敷居の低いワークショップにしたいとは考えていました。ゲームを通して、現実をトレース(疑似体験)するような研修を提供されていたイマココラボにお声がけさせていただいたというのが最初でした。


ありがとうございます。
実際にゲームを受けられて、感想を率直に教えてください!


私も本気でゲームに参加しましたが、とっても楽しかったです!
参加したメンバーからもかなり好意的な感想が多く、楽しかったとか、オンラインと悩んだけど、こっちにしてよかったとか、そういった意見が多かったです。企画した方からすると大変嬉しかったです。


私も登壇させていただきましたが、あの場のゲームの盛り上がりは勢いがありましたね。また、皆様の気づきの多様性と鋭さによって、対話がどんどん盛り上がっていましたよね。熱量というか、場のエネルギーの渦が起こっていくような感覚を持ちました。


思った以上に、参加者の皆さんは前向きに取り組んでくれたと思っています。


今回は短時間のオンラインワークショップをメインに、対面式カードゲームも織り交ぜて採用いただきました。どういった理由で両方採用されたのでしょうか。


当社は、特に私の所属の部門は忙しいメンバーが多く、大規模なワークショップを構えて「皆さん、ぜひ参加を。」とすると、時間の兼ね合いで尻込みするメンバーが多いことは感じていましたので、初めはオンラインだけという方向に舵を切りかけたんです。
しかし、丁度コロナの波が弱まってきた変化もあり、オンラインだけでなく、対面で集まって、時間を取って、しっかりと理解する場もあった方がいいんじゃないかと2段構えの企画にしました。忙しい人はオンライン受講でき、関心が高い人は、カードゲームの方で時間を取ってと2つの入り口を用意しました。
こちらからは、自社のサステナビリティの紐づけまでをオンラインワークショップの内容に組み込んでもらうことや、対面ワークショップでの時間のアレンジ等、色々と要望出ししましたが、全て応えていただいて大変助かりました。


そうだったんですね!ありがとうございます。
参加者募集を開始して、運営上の心配事などはありましたか。


心配事は運営上はありませんでしたが、手上げ式の自由参加のワークショップでしたので、参加者が集まるかが心配でした。特に対面は心配でしたが、募集したらすっと集まって。募集定員の枠を設けていたのですが、もう数回対面の枠を増やしても良かったと、その後振り返って部内で話していました。社内SNSでワークショップ参加者のポジティブな感想が広まり、オンラインの参加者応募も日に日に増えていく状況でした。

研修の感想・効果

手上げ式で約900名中750名が受講。今回の研修でベースラインがあがり、我々技術革新統括本部のミッションに、サステナビリティをどう組み込んでいくのかを検討する準備が整ったんじゃないかと感じています。

沢山の方にご参加いただいき、こちらも嬉しかったです。
どんな効果を感じられましたでしょうか。


社員のサステナビリティに対する知識や意識のベースラインがきゅっと上がったと感じています。最近は教育でも取り入れられ小学生でも知ってるSDGsですが、我々は体系的に学ぶ機会は無かったので、部門のほぼ全員のメンバーでSDGsの本質を把握できたことは大きなパワーになったと感じています。私の部署、技術革新統括本部は900名ほどの部署ですが、そのうち750名が受講し、メンバーの知識のレベルが上がったと感じます。またSDGsに対する意識も「やらされ感でしょうがなく」ではなく、「やろう」とか、ポジティブな意味で「やらなきゃね」という気持ちが芽生えたメンバーは増えたんじゃないかと感じています。


 参加者アンケートをご覧になって、お感じになられたことや、意外だったことはありましたか。


ほぼポジティブな回答でした。一部ネガティブな意見として挙がっていたのは、知ってる内容だという意見や、我々のビジネスにどう展開していくかまでの議論をできなかったのが残念だという意見でした。ここは、時間を削るとそこが出来ないですよとイマココラボの皆さんに言われていた部分で、多くの人に対して知識の底上げを狙うという目的の下、あえて削った部分ではあったんですが、そこ求めてるメンバーがいたというのは嬉しい気づきでした。今回の研修で知識のベースラインが上がったことで、我々のNTTデータのミッションに、 また、我々技術革新統括本部のミッションに、サステナビリティをどう組み込んでいくのかを検討する準備が整ったんじゃないかと、アンケートを見ても感じています。


Q3「社会課題とビジネスを紐づけて考えるワークショップ(後日研修)を開催するとしたら参加したいですか」という質問に「YES」と答えた方がの割合がとても高いことに注目しました。 後日研修への参加意欲を図った際のポジティブ回答は3~4割程度が一般的ですが、社会課題×ビジネス創発に繋げたいという思いにつながたっと感じ、我々も嬉しく思いました。


我々の部署はイノベーティブなメンバーが集まっています。SDGsが何か知りました、どんな課題があるかも知りました、それらを解決していかなければならないと認識しました、となれば、じゃあどうしていこうか、これから何をしようかと、創発につながるメンバーです。
技術革新統括本部は、課題解決がミッションのコアですから、創発につながったのは私の中では期待通りでもありました。この熱が冷めないうちに、次ができるといいなと思っています。

オンライン付箋にワークショップ中の気づきを書いていただきました。匿名で750名の皆さんに書いていただきましたが、書かれている内容の多くが前向きだと感じました。「どこかの誰かがやってくれる」等、自分事に技術革新統括本部の多くのメンバーが、 「私たちのこのチームを使って一体何ができるのか、みんなで考えよう」、そんな風に受け取っていただいている様子を感じました。


匿名で書いたので、正直な意見もありましたね(笑) ちょっとフェアトレードって高いよ、というような内容を書いてる人もいて。そういったその本音が語れるシチュエーションの中で、自社に対して、また、創発的な前向きな意見が多かったことは、当社としてありがたい状況だったと捉えています。

 

オンライン研修を受けた方々の印象・感想(抜粋)

良かった点、想定と違った点

企画段階から寄り添ってくれて、当社のサステナビリティ方針を組み込んだ内容にアレンジしていただいたりと、柔軟な対応が助かった。

イマココラボのワークショップのスタイルについて、他社との違いや、こういったとこは良かったとか想定と違った等はありましたか。


一般的な研修を提供されている企業と比べて、企画段階からかなり寄り添ってくれたのが 嬉しかったですし助かりました。自分たちで考えて企画を実行していかねばならなかったので、どこからどうやって進めようかという時に、研修メニューや内容、全体の時間配分も調整してくれました。当社のサステナビリティのメッセージを最後に組み込んだり、かなり柔軟に対応してくれたというのが、我々事務局としては大変助かりました。


ありがとうございます。
企業の方針や目的を丁寧にお聞きし、どのようにお手伝いができるだろうかとイマココラボメンバーで話し合いながら企画を考えています。そういう部分が柔軟な対応に映るのかもしれません。結局のところ、すべての研修がほぼテーラーメイドになっています(笑)。今回、知識と意識のベースが上がって、次は何をどう解決するっていうスタートラインに立てたと言っていただいてよかったなと思っています。次は、サステナビリティとビジネスの関係性というマクロの視点の提供も良いでしょうし、課題についてもう深堀りされるミクロの視点の提供も良さそうですね。これから色々活動を進めて行くのが楽しみですね。


そうですね!鉄は熱いうちにじゃないですが、熱が冷めないうちにやりたいですね。


ミクロの視点の話として、サステナビリティを全社の統括を担当されている本部の方から、プロボノ活動や、実際の現場を見ようという意向が発信されているとお聞きしましたが、NTTデータとして、社会課題に対して貢献していこうという機運があるのでしょうか。


プロボノ活動が必要だというのは、全社のメッセージとして発信されていますし、サステナビリティを推進を担当する部署も社会課題解決を進めたいということはメッセージとして出ています。課題を理解する活動も一部全社向けに用意されたりもしています。


環境問題への取り組みもされてこられていますが、社会課題への取り組みにもしっかりと軸足があるんですね。


ありますね。環境課題、例えばカーボンニュートラルに向けた対応については明確に打ち出しています。しかし、社会課題はITの力でどうやって貢献できるか考えた時にすぐに思いつきません。どういう課題があるかもわからない、どう困ってる人がいるのかはプロボノ活動で現場に入って経験することが大事だと全社でも言われています。
お客様にサステナビリティに関連するサービスを提案する際も、開発する私たちが現場を知っていないと厚みが出ません。by IT of ITと我々は言っていますが※、サステナビリティに関することを自社でもやっていますという経験を元に提案できるようにしていくことはとても大切だと思っています。ただ、全体を俯瞰的に見る目線も必要なので、環境も、経済も、社会もバランスを見ながら、来年度に向けてサステナビリティへの創発を進めていこうと計画を立てているところです。


いろいろなところで、NTTデータのITの力で課題解決へむかう風景が見えてくるような気持です。


研修全体を振り返ってみると、カードゲームの時だった思うのですが、採択文書の正式タイトルがSDGsじゃなくて、Transforming our worldなんだと聞いた時に、私個人としてとても印象的でした。トランスフォーミングの観点を持つSDGsは、CSR、ESCの続きではなく、抜本的にゴロっと変えるようなイノベーションを起こすことが大事なんだよっていうメッセージ。ゴロっと変える、それはITだったらできることがあるのではないか、そんな風に思いました。特にコロナ禍のトランスフォームは結構強制的なところもありましたよね。テレワークに一気にシフトして、世間がデジタルの風潮にトランスフォームした。
私たちが既に体験したこういったゴロっと変革する力をITは持ってると思います。そんなトランスフォーミングできるよう、 来年度以降考えていきたいと、この研修を通して、今思っています。

我々の世界を変革する 変革に込められた想いとは。

最後の質問です。御社にとっての、もしくは道祖本さんにとっての「我々の世界を変革する」とはなんでしょうか。


一人ひとりのマインドをまず変えなくてはいけないと思います。
この気づきは今回の研修で得られたものです。例えば、自分たちが当たり前にやってること、特にITは、物を燃やして二酸化炭素を排出しているって感覚があまり無いですが、スコープ1,2,3 みたいな世界で言うと、実はその外部不経済で出してる可能性がある。これを意識して経済活動に従事していくというマインドの変革が大事なんじゃないかと思います。そういうのって、あまり気づけないですよね。自分の本業の前と後っていうところに隠れてしまっています。このワークショップで体感したように、我々のその活動の前と後ろに悲しい思いをしている人とかいるかもしれないというところに、思いを巡らせて事業活動、我々も営利企業の役割は果たしつつも、その中で外部不経済をどんどん取り除いていくっていうような変革が大事かなと思っています。


本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!


企業情報