HARIO株式会社~SDGsを通して社員と自社の可能性を探求する~

 

どんな背景から、2030SDGsワークショップを企画・実施しようと思ったのですか?

HARIOは1921年創業の耐熱ガラスメーカーです。創業以来、ビーカーやフラスコといった理化学用品、コーヒーや日本茶・紅茶の器具やキッチンウェア、自動車の照明レンズや、ペット食器、アクセサリーまで、様々な分野のアイテムを企画・製造・販売しています。工場は環境に配慮した、電気でガラスの原材料を溶かす「煙突のない工場」として、現在、日本で唯一の耐熱ガラス工場となっています。

ガラスという循環できる素材を扱っていること、工場ではISO認証の取得、社内では日常的な節電や、使い捨てをしないといった行動をこころがけており、もしかするとSDGs目標に貢献できている部分があるのでは?という考えから、経営に本格的に取り入れていこうという意思が固まりました。

手始めに、経営陣、広報部などでSDGs経営に関する学習の機会をもつところからスタートし、同時に製品づくりにおいても、環境配慮素材へのアプローチをはじめていたところでした。会社としてSDGsに取り組む意思を社員が集まる場で発信し、本格始動するにあたって、実際にそれがどういうことなのかを学んでもらうため、まずは次世代を担う中堅社員向けに今回のワークショップを実施するに至りました。

 

実際に2030SDGsワークショップを行ってみた率直な感想は?

世界を模したゲーム形式で体感することで、自分自身が関わっている事象としてとらえやすかったと思います。また、ゲームを通して、社員のモチベーションがどこにあるのか、どういった思考、行動の傾向があるのかというところまでが見えたのが予想外の展開でした。ファシリテーターの能戸さんからのフィードバックにはハッとさせられるようなことが多かったです。組織としての改善点は、裏を返せば社員の良いところでもあり、それに気づくことが出来たのも良かったと思います。

また、後半の世界をとりまく環境、貧困といった本質的な部分の講義は、社員には衝撃を持って受け止められ、なぜ企業として、個人としてSDGsに取り組む必要があるのか、ということを根本から学ぶ重要な機会となりました。

 

2030SDGsワークショップで印象深かった出来事、シーンは何ですか?

SDGsゲームの実践では、モノを売る企業としての性質がよく出ていたと思います。ゲームの前半では経済発展のための活動を優先していたのに対し、中間発表を終えてからは、社員の動きが前半よりも社会・環境を守るために全体最適を重視した行動に変化したのが印象的でした。ゲームの進め方に組織の特性が現れていたことも興味深かったです。

 

参加者の方のコメント、フィードバックで印象深いものは何ですか?

<環境・社会問題への意識変化>
・1980年代後半には地球の能力を人間の影響力が超えてしまい、今はそれまでの貯金で環境がなりたっていることを知り、待ったなしの状態で環境問題に取り組まなければならないことを理解した。
・まずは「貧困を無くす」ことの重要性を改めて理解できた。同時に我々は恵まれた立場にいるので、SDGsを推進しなければならない責任を負っている。しかしながら誰しも今の経済水準を落としたくないという心理が働くので、受講中はこの葛藤の中に陥った。

 

<価値観の変化>

  • 「世界はつながっている、自分もその起点の一つである」という言葉が響いた。
  • 当たり前を疑うこと。これまでのあたりまえの価値観が地球環境に悪影響を及ぼしているのかもしれないと思った。製品を大量に作り続けることはどのような影響があるのか?ガラスの原料を得るために犠牲にしているものがあるのでは?と疑った。
  • 矛盾した活動に目を向けることが大切だと感じた。
  • 豊かな生活を送るためには障害となることも、それが実行できて、評価される価値観を社会全体ではぐくむ必要があると感じた。

 

<会社のあり方・これから>

  • 会社として何ができるか、製品を使ってもらうことによって環境が良くなる方法は?と考えた。
  • 企業が長期的に社会から必要とされ、存続するには、事業を通して社会貢献していく姿勢が必要と改めて感じた。
  • バックキャスティングという考え方を学んだ。「地球を存続させる大きな目的から落とし込んだ企業目標」を模索したい。

 

御社にとっても持続可能とは何ですか?

将来世代のニーズを満たしつつ、今も満たすことのできるような経済活動と環境活動が両立するビジネスモデルをつくりあげること。そして、お客様が満足感を得られ、使うことによって環境問題への貢献ができると思ってもらえるような製品を生み出すこと。これらが会社にとっての“持続可能”の一つのゴールと考えます。

 

この記事を読んでいる読者の方にコメントをいただけますか?

事業、人材を生かして、社会における企業価値を高めるヒントが得られたのではと思います。このワークショップが自身の意識改革、組織改革のきっかけとなるはずです。

 

最後にひとことお願いします!

現在は、自社のガラス製造という既存分野を中心に、環境問題に対応するための事業を考えているところですが、これからの展望として、会社の垣根を越えてビジネスとして何か形にできないか、とも思案しています。SDGsに根差した経営に取り組まれている団体様と、ぜひコラボレーションが出来れば、と願っています。