「教職員のための2030SDGsゲーム体験会」開催レポート

2017年11月11日、「SDGsの世界観を体験する~教職員のための2030SDGsゲーム体験会~」を朝日新聞社主催、イマココラボ共催で開催しました。

 

以下のような3部構成のイベントに24名の先生方にご参加いただきました。

 

第1部:カードゲームSDGs
(一般社団法人イマココラボ)

第2部:授業事例講演
SDGsを「自分ごと化」する授業デザインの試み
~新聞づくりを通じて、SDGsを家族に伝える~
(都立武蔵高等学校 山藤旅聞教諭)

第3部:ワールドカフェ
これからの世界のために「SDGs教育プロジェクト」をどう活かせるか?
(一般社団法人イマココラボ)

 

 

本イベントは、朝日新聞社×イマココラボで進めている学校向けプログラムの共有、キックオフを兼ねて行われました。

この学校向けプログラムは(一部構想段階ですが)概ね以下のようなものです

 

-企業からの広告協賛をいただき
-学校でSDGsの授業やカードゲーム2030SDGsを行う
-生徒たちは感想やその後の活動を新聞記事にして
-できあがった新聞を生徒が家に持って帰って、家の人と話題にしたり
-学校に張り出してSDGsの認知を広めていく

 

つまり中学校・高校からすると、SDGsを学び、カードゲームを体験して、最後に自分が書いた記事が載った新聞(写真)がもらえる、加えて、それを家に持ち帰って親との会話が生まれる、というなかなか画期的なプロジェクトです。

 

(上記は都立武蔵高等学校で1年生を対象に実施された授業風景。裏面は各班がそれぞれ探し出した身近な持続可能性がまとめられている)

 

 

 

今の中高生の親の世代は、団塊ジュニア世代やバブル時代に育った世代であり、データでも出ていましたが、持続可能な世界に対して意識がちょっと薄いようで、そのために、新聞を持ち帰って親と会話して、子供から親にアプローチもする、というのも仕掛けの1つです。

 

 

子供たちが書いたものが新聞になり、それを持ち帰ってきて、テーマに出てきたSDGsに親が今以上に関心を示すでしょう。さらに、子供から出てきたSDGsというテーマが自分の会社でも推進しはじめている、と聞いたならば無関心ではいられなくなります。(これも繋がっている世界ですね 笑)

 

 

こんなプログラムに興味がある先生30人が集まりゲームが始まりました。先生も子供のように熱中していました。

 

 

ゲームの後、実際にトライアルで導入した都立武蔵高等学校の山藤先生から導入事例を紹介してもらいました。

 

 

山藤先生は、SDGsカードゲームを4コマの授業を使って導入されました。

 

1コマ目は、SDGsの概要説明。SDGsとは?という内容です。

 

2コマ目は、ゲームをやる時間です。山藤先生が考えだした方法が1コマの授業の中で2ラウンドのゲームを行う、というものです。1ラウンド目は、生徒は自分中心に進めるため、経済変調の世界が出来上がるそうです。そこで先生から、周りを意識して進めるようにというガイドを踏まえて2ラウンド目を行うと、チームの達成率も、世界のパラメーターの達成率もどちらも格段によくなるようです。

ここで生徒は、自分本位ではなく周りと協力する方が結果として、個人も社会もより豊かになる、ということを体験から掴むそうです。

 

3コマ目は、自分こと化するために外に出て実地でSDGsを調べたり確認したりするようです。例えばスーパーにお願いして商品の原材料を調べたり、学校にある廃材を調べたりします。

 

4コマ目は、それをクラスに戻り文章にします。その文章をまとめたものが上記の朝日新聞の記事になり、それを学校に張り出したり、生徒が家に持ち帰り親と会話する、という流れです。

 

ちなみに都立武蔵高校では、すでにさまざまな動きが現実化しているそうです。

 

例えばすでに1年生5クラス分の新聞は、学校全体に掲示されて話題を呼んでいるそうです。また「今回の授業を受けた高校1年生に、中学生からSDGsの授業を実施してほしいとの依頼が来た」とか「保護者の方から山藤先生に、この授業を自分が勤めている会社でもやってもらえるか、という打診があった」など続々と動きが出てきています。

 

こんな風に学びが連鎖していくのが、新聞化するということのパワーの一つなのかもしれない、と改めて感じました。

 

 

その後、第3部のワールドカフェでは活発な意見、議論が繰り広げられました。

中でも私がいちばん印象に残ったのは、とある先生の「受験に直接関係ないことを入れるのはなかなか難しいのでは」との発言に、山藤先生が「受験という低い目標をゴールにさせれば能力の発揮しどころは限られる。もっとその先の高いゴールを見せてあげればみんな成績は必ず上がる」と力強く答えていたことです。

 

「子供が本来もっている才能を邪魔しているのは大人」ということを何度もお話しされていて、本当に共感していました。

それと同時に、現場を持った山藤先生のいろいろな話を聞いて、今の教育の枠組みでも出来ることもたくさんあるんだろうなといういうのを改めて感じました。

 

以下、ご参加いただいた先生方の感想を、アンケートの中から一部ご紹介します。

 

まずは全体の感想から。

 

 

全員の方が前向きな評価となりました。

続いて自由回答をいくつかご紹介します。

 

・あっという間にSDGsの世界を体感できました

・まず楽しかったです。授業でも今すぐ取り入れたい!と思いました。単元と結びつけてぜひ挑戦したいです

・ファシリテーターの声かけ一つでで第2ラウンドは大きく変わるなーと思いました。ファシリテーター力が不可欠ですね。

・生徒が変化していく様子に感動しました

・学校現場ではいろいろな課題が教育委員会や文科省などからおりてくるので、現実に授業の中で位置づけるのが難しいこともある。しかし重要なことなので、今後どのように実践するか考えたい

 

ここから善き世界が爆発的に広がる可能性を感じた1日。

イマココラボもここからさらに進んでいきます!

 
 
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