【事例】鯖江市役所 ~「持続可能な地域モデル“めがねのまちさばえ”キックオフミーティング」~

2017年12月5日、「持続可能な地域モデル“めがねのまちさばえ”キックオフミーティング」と題して福井県鯖江市にて、SDGsワークショップを開催させていただきました。

 

なぜ、この研修・イベントを企画・実施しようと思ったのですか?

「持続可能な開発目標(SDGs)」の誰も置き去りにしないという理念に賛同し、市民や経済界、各種団体等との協働で全国に横展開できる地域モデルの確立を目指そうと、5月に、庁内の14課1室18名の職員で構成する「持続可能な地域モデル”めがねのまちさばえ”研究チーム」を立ち上げました。

研究チームでは、市の既存事業がSDGsの17の目標のどれに当てはまるかといった現状調査をはじめ、推進事業・推進体制の検討などを行ってきました。検討していく中でも、SDGsの目標の世界が大きいこともあって、自分たちは何をどうすれば目標に近づくことができるのか、目標達成に近づくことで、持続可能なまちづくりへとどうつながっていくのかなど、疑問だらけでした。

そんな中、市民団体の「エコプラザさばえ」さんと「さばえNPOサポート」さんがSDGsに関心を寄せているとお聞きし、それなら協働で研修会を開催してお互いに知識を深め、この取り組みについて広く市民の皆さんにも知ってもらおうと考え、「キックオフミーティング」として企画・実施しました。

この取り組みは市民や経済界、各種団体等との協働で全国に横展開できる地域モデルの確立を目指すものであるので、皆さんに理解を深めてもらい、一緒に取り組んでいただくことが必要だということで、講演会の他にワークショップを実施して、世界観を体感できるカードゲームを行いたいと考えました。

環境省や横浜市が行っている様子をHPで拝見し、本市でも実施したいと考えました。

2030SDGsをプレーする様子

 

実際に研修・イベントを行ってみた率直な感想は?

SDGsについて考えるときは、常に念頭に17の目標があり、その目標に結びつけようとしたくなるのですが、このカードゲームは最初にプロジェクト設定があって、達成に向けて、SDGsのいくつもの目標が関係してくるので、成果プロセスが体感でき、SDGsの世界観がよくわかりました。

目標は、グループごとに違いますし、グループの達成速度も方法も違うので、いろんな過程が見えて大変勉強になりました。自分たちの目標達成から世界のパラメーターの達成率に意識が向くと、今までバラバラに考えていた参加者が一つになって、全体を見て考えていくようになる感覚が面白かったです。

 

研修・イベントで印象深かった出来事、シーンは何ですか?

まず、自分の目の前のプロジェクトやゴールに集中し、周りや手段をあまり考えず、とにかく達成させることにのみ、知恵も力も注ぐ。そして、自分のプロジェクトやゴールが達成されると、余裕ができて、周辺を考え、全体のことを考える。参加者全員がそんな意識になるのが印象深かったです。

なかなかゴールできないところは、周りが達成していけばいくほど、取り残されていって、少し犠牲になってもいいよというチームに助けられて、少し良くなっていく。少しの救済で達成が無理なら、そのチームは切り捨てられて、助けてあげると達成の見込みのあるところから救済していくような形になっていく。ただ救済し過ぎるとお互い共倒れになってしまう。

カードゲームなんですが、国際社会の縮図を見ているようで、広い視野で物事を考えるってこんな感じなんだと実感しました。

各テーブルごとでゲームが盛り上がりました

 

参加者の方のコメント、アンケートで印象深いものは何ですか?

  • 余裕ができると、他人を助けてあげたくなる気持ちが出てくる。
  • ゴールが達成されると世界のパラメーターをよくしていこうという気持ちになってくる。
  • 「SDGs」について、なんとなくわかってきた。
  • 「SDGs」についてはわかってきたが、では自分たちが目指す「持続可能な地域づくり」はどうすればいいのかとなると、まだわからない。

 

あなたにとっての「持続可能」とは何ですか?
普通に幸せだと感じつづけられる社会が続くこと。何不自由ない生活が続くこと。

 

この記事を読んでいる読者の方にコメントをいただけますか?
「SDGs」は日本に住む私たちには、なかなか理解しにくいというか、いまいち何をどうすればいいかなど、つかみにくい概念だと思うのですが、このカードゲームにより、SDGsの世界観は体感できると思います。楽しみながらできるので、市民の方たちにもわかりやすいと思います。

 

最後にひとことお願いします!

SDGsの17の目標や内容を見ると、自分たちの生活から離れた感じがするかもしれませんが、私たちでもできることはたくさんあって、とても身近なものだと思います。

 

カードゲームでは、自分たちがもつお金や時間を使ってプロジェクトを行い、それによって社会が動くので、私たちの行動が影響していくのがわかります。世界のパラメーターを考えていくと価値観も変わっていくのがわかるので、「百聞は一見に如かず」で、とりあえず、やってみましょう。

 

コメントをいただいた方:
鯖江市役所 めがねのまちさばえ戦略室
室長補佐 仲倉 由紀さん