カードゲーム 2030SDGs を使ったワークショップのファシリテーターになることを
ご検討いただき、ありがとうございます。

このページは、ゲーム 2030SDGs の単なる仕組みだけではなく、背景にある考え方やそれを採用するに至った経緯を記載しました。
ざっと読み流すというより、ご自身のお考えにあうかどうかじっくり吟味しながら読んでいただいたほうがお役に立つと思います。文章量もそれなりにありますので、ぜひある程度お時間がとれるときに読んでいただけると幸いです。

目次
1.  わたしたちが大切にしているもの
2.カードゲーム2030SDGsとはなにか
3.ゲーム開発において大事にしている考え方
4.価格について
5.価格体系の背景
6.  契約主体を個人としている理由
7.2030SDGsのファシリテーターに向く方、向かない方
8.ファシリテーター養成講座の内容について
9.最後に

 

1.わたしたちが大切にしているもの

わたしたちイマココラボが大切にしているのは、社会システムを構成している個人の意識の変容こそが、社会システムに変容をもたらす、という視点です。

すなわち、個人の意識の変容なくして社会システムが本当に望む形に変容することは難しいのではないか、とも考えています。

社会システムとは、世の中の仕組み、制度、慣習のことです。
例えば、国家かもしれませんし、国の政策や制度かもしれませんし、国を構成する自治体や企業、学校、コミュニティー、さらにそれらが作り出す制度や慣習かもしれません。人が介在することで外側に創り出されるありとあらゆるものを意味しています。

一方で個人の意識とは、個々人の価値観、あたりまえ、信念のことです。
すなわち、私たち一人ひとりがどんな意識から何を考えているか、ということです。その結果として何を選択し、どう行動するかの起点になるものとも言えます。その行動の結果として社会システムが作られる、ということです。

外側の社会システム、つまり制度を変えても、個人の意識が変わらない限り、本質的な変化は起こらないのではないか、と考えています。制度だけを変えても、個人の意識が変わっていなければ、効果的な実行は期待できません。もし、実現するために戦う、という行為を選択した場合も、戦うという行為そのものが別の抵抗勢力、つまり別の形の分断を作り出すことになるかもしれません。

ここで重要なのは、自分を動かしている自分の内側の意識が何なのか、そこに気づけるかどうかです。以前、知人が「平和のために戦うぞ!・・・では本当には平和にはならないですよね」と言っていたのですが、まさに戦いからは本当に望む世界は生まれないかもしれません。
「そうは言っても、〇〇は正しい」と意見を持ちたくなる、人間であればそれは普通かもしれません。その場合でも、自分が正しい、つまり自分の考えを正当化したいという自分に気づけるかどうか、その気づき一つひとつが、今までにない新たな可能性、意識の変容につながるひとしずくになるだろうと考えています。

イマココラボという名前には、4つの意味が込められています。

  • イマとは、いつかではなく、今から
  • ココとは、どこかではなく、ココから、つまり自分自身から
  • ラボとは、ラボラトリー(実験)のように、つまり完璧を待つのではなく気楽な気持ちで実験的に
  • コラボとは、そんな想いでコラボレーション(協働)しながら

つまり、今この瞬間の自分自身の行動の起点になっている意識に気づきながら、シリアスになりすぎず気楽な気持ちで、そんな仲間と共に協働しながら新しい世界を創造していこう、そんな想いが込められています。

このような考え方をベースにイマココラボ自身も活動していますし、その考え方をベースにカードゲーム2030SDGsもデザインされています。

 

2.カードゲーム2030SDGsとはなにか

カードゲーム2030SDGsは、現在のわたしたちが作っている社会システム、またそれを創り出してる私たち一人ひとりの意識、つまり行動のベースになっている私たち一人ひとりの世界観や価値観を、ちょっと立ち止まって気づくためのゲームです。また同時に現在のわたしたちが作りえていない社会や行動の可能性にも気づくことができます。

2030SDGsはわたしたちの実際の世界を模したシミュレーションゲームです。そのため体験した方々の意識、判断によってまったく違う世界が現れうるという特徴があります。

つまり世界があらわしうる様々な世界の可能性をゲームで自由に体験することによって、世界や自分のあり方を振り返り、省察することができるツールとしてデザインされています。

また私たちは世界とつながっていて、自分自身が世界を作っているんだという感覚を、難しい言葉抜きで直観的に体験することができます。

 

3.ゲーム開発において大事にしている考え方

ゲーム開発において大事にした点は2つです。

  1. 現実世界を模していること。
  2. 現実の厳しさを感じるだけでなく、可能性も同時に感じられるようにすること。

1は別の言葉でいえば、このゲームは”正しい世界の在り方を教える”ではなく、自由に遊べるゲームだということです。

ゲームの制作者が誘導する正解が見え隠れするようなゲームでは、人は楽しむことも学ぶこともできません。現実の世界で起こり得る最悪のシナリオから最高のシナリオまですべて起きうるゲームとしてデザインされています。これは人間が興味をもって学ぶうえでは極めて重要な要素です。

特に成人学習(アダルトラーニング)においては正解を伝えることは効果的ではなく、自由に行動した上でその行動を振り返ることが効果的だとも言われています。想像していただければ分かると思いますが、こうすることが正しいという学校の道徳の授業なようなものだと、しらけてしまってあまり楽しめないですよね笑。

2は実際に変革を実現するために重要です。
世界の変革を訴える映像やカリキュラムには、世界がいかにひどい状況であるかにフォーカスするあまり、人間の創造的なエネルギーを殺してしまうものが多く存在します。罪悪感や危機感だけでは、広く多様な世界を本当の意味で変革することは難しいと考えています。そのため、ゲーム終了時に「自分たちの手で世界は変えうるのだ」というポジティブな感覚が残るようにこのゲームは設計されています。

この2つはこのゲームが日本をはじめ世界の人々に支持され、拡がっている重要な要素です。

 

4.価格について

2030SDGsを活用するためには、大きく2種類の費用が必要です。

1)ファシリテーターになるための受講費用

オンライン2日間、対面2日間の計4日間のファシリテーター養成講座を受講し、実技試験を受けて修了することでファシリテーターとしてカードキットを使うことができるようになります。その資格取得のための費用です。2020年7月現在、25万円(税別・講座4日間・カードキット1セット込)です。

2)カードキットを利用するための費用

カードキットを利用するための費用は、以下の3つの場合に分かれています。

A. 変動利用フィー

標準:売上がある場合、売上金額の20%
例えば2030SDGsを使ったイベントやワークショップを有料で開催したり、研修サービスとして外部に販売したりする場合が該当します。

例外:売上が5万円未満の場合、利用フィー無料
例えば2030SDGsを使ったイベントやワークショップを有料で開催したり、研修サービスとして外部に販売したりする時に売上が5万円未満の場合が該当します。

※オープン開催のイベントなど参加者個人から参加費を直接徴収する場合、交通費、会場費の負担が大きいため、これらを差し引いた額を売上として扱います。

B. 固定利用フィー

営利企業:ファシリテーター自身が所属する法人内で利用する場合で、売上がない場合1カードキット利用で1回あたり8万円
例えば法人内で従業員、職員研修として実施する場合やイベント、マーケティングなどで実施する場合が該当します。

非営利企業:ファシリテーター自身が所属する非営利法人、行政機関等で利用する場合で、売上がない場合1カードキット利用で1回あたり4万円
例えば非営利法人内、行政機関等で従業員、職員研修として実施する場合やイベント、マーケティングなどで実施する場合が該当します。

C. 公教育での利用の場合

カードキット利用フィーは無料です。小中高校大学の授業での利用、学校法人内での教職員に対する研修が該当します。

 

5.価格体系の背景

カードゲーム2030SDGsは世界のトランスフォーメーション(変革)を目指すSDGsを題材にしているため、価格体系についても従来の経済常識だけに縛られない形を意識しています。

具体的にいえば「お金の力もしっかり活用する。そのなかでもお金をたくさん持っている人からは特にしっかりいただく。けれどもお金がないからといって、利用できないようにはしない」を指針としています。

このあたりは経緯とともにお伝えする方がイメージしやすいと思いますので、少し冗長になりますがしばしお付き合いください。

2030SDGsはおかげさまで開発当初から評価が高く、購入を希望する方が後を絶ちませんでした。扱っている題材の主旨からしても「とにかくたくさんの人に体験し、理解を深めてもらう」ことが大事だと考えて、クラウドファンディングによる無償化をかなり真剣に検討しました。

ただ実際は無償化ではたくさんの人が体験し、理解を深めることはできないと判断しました。このあたりの詳細はファシリテーター養成講座内で詳しくお話していますが、簡単に言うと以下のような理由で無償化は得策ではないと考えました。

  • 人は労せず手にいれたものは簡単に捨てる傾向にある
  • 無償化されたサービスや商品では、それを職業として提供するいわば「プロ」が育ちにくい
  • 質の低いワークショップを受けた人は、理解を深めることができない
  • 質の低いワークショップの割合が高ければ、それを体験したいと思う人の数は減る

上記の逆を目指しているのが今の価格体系です。

つまり

  • プロが質の高いワークショップを提供し続けることができる
  • コミットメント(やる気)がある人だけがファシリテーターになることができる
  • 質の高いワークショップを受けた人が、理解を深める
  • ワークショップの質が高いために評判となり体験希望者が増え続ける

例えばファシリテーター養成講座でいえば、高いお金を払うコミットメントがある方、つまり高いお金を払っても回収できる見込みがあるプロフェッショナルを対象にしています。またそれだけのお金を払うという行為自体が、よりコミットメントを高めるという側面もあります。

このあたりはまさに「お金の力もしっかり活用する」を体現しているところです。

一方で「お金がないからといって、利用できないようにはしない」というポリシーは
「A.変動利用フィー、例外:売上が5万円未満の場合はカードキット利用フィー無料」や「C.公教育での利用の場合」というあたりに反映されています。

これがあることによって、無償の開催もできますし、個人ファシリテーターが草の根で開催をひろげていくことにもつながります。

冒頭に「価格体系についても従来の経済常識に縛られない形を意識しています」と書きましたが、とくにお金、経済にまつわる話には、常に私たち自身の「無自覚な常識」がついて回ります。ここには新しい世界をつくっていくヒントがたくさんありますので、ファシリテーター養成講座内で時間を割いてみんなで考えるようにしています。

 

6.契約主体を個人としている理由

まず2030SDGsのファシリテーション資格は例えばコーチングの資格とか、ITスキル資格などと同じく、取得した個人に紐づく資格です。

これは資格保有者が転職した場合で考えるのが一番分かりやすいと思います。

コーチング資格もITスキル資格も個人にひもづいた資格ですから、転職した先でも当然使えます。一方、元々所属していた会社からすると、その人が退職したあとに資格を後任に引き継がせることができる性質のものではありません。

それら資格と同じ個人に付与される資格なので、会社名ではなく個人名での契約となります。

それはまた、こんなふうにも言えると思います。
2030SDGsのファシリテーターであるときに大事なことは「想いやスタンスを自分で明確にしている」ことです。その想いやスタンスは個人のものであって、会社や法人組織に紐づくものではありません。もっといえば自分自身のビジョンが組織のビジョンより上位概念である、そういう人にこそ2030SDGsのファシリテーションをやってもらいたい、そんな意図があります。

 

7.2030SDGsのファシリテーターに向く方、向かない方

ここまでの文章を読んでいただいて、共感する方やご自身の体験として理解できる方は2030SDGsのファシリテーターに向く可能性が高いと思います。一方以下のような方は慎重に検討されたほうがよいかもしれません。

  • ゲームを使って、いい世界を作ることに無関心な人を説得しようと考えている方(つまり自分の考えが正しく、そうじゃない人を説得したいと考えている方)
  • 本当は自分の主張や知識を話したいのだけれど、それでは参加者の興味をひきつけることができないので(注意を引くためのツールとして)ゲームを使おうと考えている方
  • ファシリテーターを外部に依頼するよりも、自分がなったほうが金銭的に安いという理由だけでファシリテーターになろうとしている方
  • 自分の意思というより誰かに指示されてファシリテーターになろうとしている方
  • SDGs自体に実はあまり詳しくない方、興味がない方
  • パソコンが苦手な方

 

2030SDGsは自分と異なる主張をする人を説得するためのツールではありません。
また興味関心やコミットメントが薄い人がよいワークショップを開催できる可能性は高くはないと考えています。

また開催にあたってはプロジェクタを使ってパワーポイントを投影する必要がありますし、公認ファシリテーターのやりとりは基本ネット上で行いますので、パソコンがあまりに苦手という方は厳しい可能性が高いです。

ご自身でファシリテーターにならずとも、すでに公認ファシリテーターになっている方に依頼するなどゲーム活用の方法はありますので、ぜひいろいろな可能性をご検討ください。

 

8.ファシリテーター養成講座の内容について

ファシリテーター養成講座は、前半1.5 日間、1 週間ほどの間を設けて実施する後半2 日間の二部構成、計3.5 日間の講座です。
本講座は2 種類の受講形式があります。前半はいずれもオンラインで実施しますが、後半についてはオンライン、対面のいずれかの形式での受講となります。
受講形式は日程によってあらかじめ設定されています。
2 種類の受講形式の内容・違いなど、詳細は以下のリンクをご確認ください。

ファシリテーター養成講座の受講形式と概要、ご準備いただく受講環境について.pdf

 

2030SDGsファシリテーター養成講座は、県外への移動が難しい方もいらっしゃることから、
現在フルオンライン形式を採用し、受講場所に関わらず受講が可能な形で定期的に開催しております。

フルオンライン形式も参加者の方から高い評価をいただいています。
ご参考までに受講された方のお声をご紹介いたします。

・日常を離れていろいろなことをこれまでのつながりが全くない人と話すことで大いに振り返り、今後の対応について考えることができた。(50代/中小企業診断士)

・カードゲームの内容だけでなく、ファシリテーターとしてのあり方についても考えを深める事ができた(50代/不動産業)

・ものごとの考え方全般に意識を向けられ、また自分自身も振り返ることができ、貴重な体験となりました(40代/サービス業)

・自己の内面的な部分まで深く考え、意見を交わす機会を得られました。また、ワークショップに関することだけでなく、自分の働き方、人とのかかわり方などを見つめ直す良い時間になったため、大変満足しております(30代/学校司書)

・完全リモートでしたが、それを感じさせない内容だったように思います。でも、やはり一緒に講座を受けたメンバーとはいつか直にお会いしたいです(40代/製造業)

9.最後に

長々と書かれた文章を最後までお読みいただきありがとうございます。

冒頭にお話しさせていただいたとおり、カードゲーム2030SDGsは現在のわたしたちが作っている社会システム、行動パターン、ひいては私たちひとりひとりの世界観を認識するためのゲームであり、自分と世界の在り方に気づいていくゲームです。

そのファシリテーターになるということは、自分自身の世界観、行動パターンに気づき続けていくことでもあります。

この文章を読んで共感された皆さまとともに行けることを楽しみにしています。ご参加お待ちしています。

一般社団法人イマココラボ

 

2030SDGsファシリテーター養成講座
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