SDGsアクションプラン2019(持続可能な開発目標推進本部より)

今回は2018年12月21日に実施された『持続可能な開発目標(SDGs)推進本部』で発表された内容を見てみたいと思います。

この会合は首相を本部長、大臣を構成員とする会合でSDGsが採択された翌年から6月頃と12月の年2回実施されていて日本でのSDGsの動向を知るためには必ず押さえておかなければならない会合です。

今回はこの会合で決まったことを見てみたいと思います。

今回の第6回持続可能な開発目標(SDGs)推進本部において今回の発表のメインは「SDGsアクションプラン2019」というものです。

これは、1年前の2017年12月に発表された「SDGsアクションプラン2018」を継続する形でそれがさらに具体化された内容になっています。

SDGsアクションプラン2019の骨子

中身を見てみると骨子は次の3つです。

①SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進

②SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり

③SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント

①は経済界を意図した発信になっています。というのも2017年11月に経団連が7年ぶりに行動企業憲章を改定しその中で、Society5.0というコンセプトのもとSDGsに本気で取り組む、と述べた流れを汲んでいます。

経団連は一部上場企業の7割が加盟していて経済界でもっとも影響力がある団体です。その経団連、つまりビジネスの力を使ってSDGsを実現していこう、という現れでもありSDGsの可能性を感じる部分でもあります。

ちなみにSociety5.0とは、
狩猟社会(Society1.0)
農耕社会(Society 2.0)
工業社会(Society 3.0)
情報社会(Society 4.0)

といった人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ第5の新たな社会を、デジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現する、という意味でSociety5.0が作られました。こうやってみるとなるほどなーという感じですね。

②は地方創生をSDGsを使って実現していこう、という流れの中での発表です。昨年発表されたSDGs未来都市はその1つの象徴的な動きです。29の都市が選ばれ、10都市には合計3億円以上の予算を付けて推進しています。

③は女性活躍推進、高校無償化、高齢化などの流れも踏まえて掲げられています。

出典:官邸HPより

2019年は発信の年

また、もう1つの特徴として2019年はこれらの日本のSDGsモデルを世界に発信していく、実際に発信の年になります。

2019年には以下の3つの大きな発信の場があります。

・G20大阪サミット(6月)
・TICAD7(アフリカ開発会議)(8月)
・初のSGDs首脳級会合(9月)

3つ目の「初のSGDs首脳級会合」に関して、SDGsは毎年7月に外務大臣クラスが出席するHLPF(ハイレベル政治フォーラム)がありその場で進捗を報告します。

さらに4年に一度、首脳級の会合が行われることになっており、その第一回目が2019年9月です。

ある意味、2019年のこの発表に向けて①~③の活動を盛り立ててきたと言っても言い過ぎではないでしょう。

つまり、日本にとって2019年はSDGsが今まで以上に注目されすべてのセクターがより関心を持って取り組むタイミングになります。

さらに言うと2020年にはSDGsオリンピックとも言われている東京オリンピックが行われ、2025年には大阪万博がおこなわれSDGsの盛り上がりは勢いを増すことは必須です。

この流れの中で本質を見失わずに自社、自組織、自団体、さらには個人として何をするかが問われます。

SDGsを理解するフェーズは終わりました。

行動することで共に持続可能な世界の実現に向けて進んでいきましょう!

 

※以下参照リンク

・第6回持続可能な開発目標(SDGs)推進本部
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/dai6/gijisidai.html

・SDGsアクションプラン2019
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/pdf/actionplan2019.pdf

・経団連「企業行動憲章」の改定について
http://www.keidanren.or.jp/announce/2017/1108.html

・SDGs未来都市
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kankyo/teian/sdgs_sentei.html