バリ島、持続可能な世界を創る未来のリーダーを育てる学校「グリーンスクール」に行ってきました!
バリ島にある、持続可能な世界の未来のリーダーを育てる学校のグリーンスクールに行ってきました~。
校舎は全部竹で出来ています、ビックリ 笑。小学生~高校生まで400人位の生徒が世界各国から集まっています。10%は地元バリ島から奨学生として通っています。
今回の訪問は、カナダ人の友人がお子さんをグリーンスクールに入れる予定で、過去何度か訪問しているのですが、今回は家族でリアルな生活を想定、体験するために1か月滞在するそうで、私もバリ島にたまたま行く機会があったのでご一緒させてもらいました。
ちなみに、なぜ1か月リアルな生活をするかと言うと、基本的に寮などはなく、親が側に住んで通わせるしかないそうです。そりゃー厳しいなーっという感じですが、田舎のこの場所にも関わらず、側に座席や部屋を共有しながら仕事をするコワーキングスペースがあり、欧米人がたくさんいるそうです。ネット環境も1-2年前に劇的に速くなり、その辺も入学生徒が爆発的に増加している要因の1つだそうです。
毎日ツアーが企画されているそうで、今回案内してくれたのは、地元のお子さんを奨学生として通わせているパパでした。一緒に行った友人は過去何度か訪問しているのですが、毎回外国人留学生の親で、地元の人のガイドに喜んでいました。
学校を案内してくれた奨学生を通わせるパパ
授業は基本、プロジェクトベースで進められるそうです。みんなで課題に関してディスカッションし、その課題を解決するためのプロジェクトを立ち上げ、実際にプロジェクトとして実行する、その成果を定期的に他の生徒、コミュニティの人たちに発表します。日本の学校にも取り入れられ始めているアクティブラーニングのもっと先のプロジェクトベースのアクティブラーニングのようなイメージです。
例えば、温暖化につながる森林伐採の原因の1つであるパーム油(油やし)を使わない油を作るPalm Oil Freeプロジェクトや、魚と植物を1つのシステムで一緒に育てることで、魚の排出物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る、という循環型農業であるアクアポニックプロジェクトなどもありました。
パームオイル(パーム油、油やし)を使わない油のプロジェクト
魚と植物を1つのシステムで一緒に育てる循環型農業、アクアポニックプロジェクト
失敗もたくさんあるようですが、自分たちで試行錯誤して次から次に新しいプロジェクトが生まれているそうです。そのプロセスで考える力、議論する力、質問する力、主体的に行動する力など、を身に着けていくようです。
子供たちが勉強する教室はこんな感じです。開放感抜群ですよね。友人曰く、通常の音がなにもしない教室と違って、鳥の鳴き声や川のせせらぎ、虫の鳴き声が絶えず聞こえるから、逆に先生の声や他の生徒の発現に集中できる、とのこと。壁に閉ざされているのではなく自然と一体化している感じですね。
子供たちが勉強する教室
クラスの決め事が、やっぱ本質的過ぎてしびれました。です。うむー、そうだよなー、ここからだよなーって感じです。
<クラスでのきめごと>
Integrity 誠実さ
Responsibility 責任感
Empathy 共感
Sustainability 持続可能性
Peace 平和
Equality 平等
Community コミュニティ
Trust 信頼
クラスでのきめごと
後、友人が教えてくれた印象深かった話が、その日は週末だったので生徒はいなかったのですが、平日に来ると沢山の大人がいて、生徒の親、地域の大人もいるそうえす。その人たちが学校への出入りが自由なうえ、いろいろなプロジェクトに関わっていて、誰が先生で誰が親で誰がコミュニティの人で誰が訪問者かよくわからないくらいごった返しているとのことです。先生が子供に教えるという感じでは全くなく、みんなで生徒を育てる、みんなで相互学習する、そんなイメージです。
日本の学校でも親やコミュニティの関わりは大切だ、という話をよく聞きますが、そんな部分も当たり前に実現しているようです。
また、彼がお子さんをグリーンスクールに入れようと決めた理由は、以下の会話があったからだそうです。
友人:「クラスの人気者だれ?」
生徒:「マイクが人気者だよ」
友人:「それはなぜなの?」
生徒:「そうだねー、それはマイクが他の人に対してクラスで一番優しいからだよ」
クラスで一番の人気者は、運動神経がいいとか、〇〇が出来る、〇〇を持っている、というケースが多いかもしれませんが、優しさが基準になっていることが決め手だったそうです。言われてみれば、本当にその通りですよね。
さらに、バリ・ヒンドゥー教の哲学的コンセプトで、神、人、自然の調和をもたらす「トリ・ヒタ・カラナ」というものがあります。「トリ・ヒタ・カラナ」とは「幸せになる3つの要因」ということのようでその3つの要因とは、
- 人間と神との繋がり(パラヒャンガン)
- 人間と人間の繋がり(パウォンガン)
- 人間と環境の繋がり(パルマハン)
だそうです。今ではバリでも形骸化されてきているようですが、グリーンスクールではこのコンセプトも取り入れながら運営されていて、生徒に対してマインドフルネス瞑想の授業とかも普通にあるそうです。
自分と何か見えない大いなるものとのつながりや循環、自分と他者とのつながりや循環、自分と自然環境とのつながりや循環。すべての循環、持続可能性こそがよき世界を切り開いていくなーっと改めて感じました。
グリーンスクールに関してさらに知りたい方は以下のTED(映像)はオススメです。
創始者のジョン・ハーディーはバリでビジネスを成功させて悠々自適に余生を過ごす予定だったのが、アメリカの元副大統領のアルベルト・ゴアの映画「不都合な真実」を見て、「人生が変わってしまった、どうしてくれるんだ」、つまり、「未来の子供にいい世界を残すためにグリーンスクールを作るはめになってしまった」と冗談で話していたのが面白くて印象的でした。
ちなみにTEDを見て私も映画「不都合な真実」を見たのですが、地球温暖化防止に関して真摯に活動するゴア氏の大ファンになってしまいました。アマゾンプライムなどのオンラインで数百円で見られるので、もし見ていない方はぜひ見てみてください~。(「不都合な真実2」は2018年4月から見られるそうです)
■グリーンスクールオフィシャルサイト(英語) https://www.greenschool.org/
■創始者、ジョン・ハーディのTED(日本語字幕付き)←これおススメです
■その他日本語紹介サイト 「グリーンスクールとは?」でたくさん出てきますー。