カードゲーム「2030 SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」はSDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するゲームです。
さまざまな価値観や違う目標を持つ人がいる世界で、我々はどうやってSDGsの壮大なビジョンを実現していくのでしょうか。
このゲームはSDGsの目標を1つ1つ細かく勉強するためのものではありません。「なぜSDGsが私たちの世界に必要なのか」、そして「それがあることによってどんな変化や可能性があるのか」を体験的に理解するためのゲームです。
そのためSDGsという言葉を聞いたことがない人やあまり興味関心がない人でもゲームが持つとっつきやすさと面白さで知らず知らずのうちに熱中し、楽しみながらSDGsの本質を理解することができます。
参加人数は最小5人から50人程度ですが、世界を複数同時に走らせパラレルワールドを作ることで最大で200人程度まで同時プレイできるように設計されています。ゲームの後の解説と振り返りを含めると最短2時間から、通常は3時間半程度でプレイ可能です。
2030SDGsのルール
ルールはいたってシンプルです。与えられたお金と時間を使って、プロジェクト活動を行うことで、最終的にゴールを達成するというものです。
では一体どのようなゴールがあるのでしょうか?
例えば、「大いなる富」というお金が一番大事という価値観を持った人や、「悠々自適」という時間がゆったりたっぷりあるのが幸せだという人、貧困をこの世からなくしたいという人や環境を守りたいという人などの複数の目標があります。つまり、現実の世界と同じように、ゲームの場の世界にもさまざまに異なる価値観をもった人達がいる、ということです。
それではどのようなプロジェクトがあるかご紹介します。これはたくさんあるプロジェクトの1つで「交通インフラの整備」というものです。
このプロジェクトを実行するために、「使うモノ」としてお金500と時間3が必要で、それらを使うことでプロジェクト活動を行います。交通インフラが整備されることで、経済が循環し移動時間が短縮されるので、「もらえるモノ」としてお金1000と時間1がもらえます。それと同時に次のプロジェクトカードと意思カードがもらえます。
ここで言う意思とは、やりがいだったり情熱だったり無形のものを表します。なぜこの意思カードが存在するかというと、現実社会と同じでお金や時間よりも、やりがいを大切にしている人がいる、つまり、やりがいを人生の目標にしている人がいるということです。
プロジェクトを実行する時にもう1つの大きなポイントは、参加者全員が以下の写真のようにホワイトボードに張り付けられたマグネットを共有しています。これは参加者全員で創り出す世界の状況を表していて、青は経済、緑は環境、黄は社会を意味しています。
もう1度プロジェクトカードを見てみると、プロジェクトを実行した場合、カードの一番下にある「世界の状況メーターの変化」に書かれたパラメーターが変化します。例えば先ほどの「交通インフラの整備」の場合であれば、青の経済がプラス1、緑の環境がマイナス1になり、ホワイトボードのそれぞれのパラメーターの数が変わります。
つまり、どのプロジェクトを行うかで世界の状況が刻々と変わっていき、参加者全員が行うプロジェクトの結果、2030年の世界があらわれていく、という風にゲームが進んでいきます。
実際のゲームの雰囲気を知りたい方はプレイの様子を動画にまとめましたのでぜひこちらもご覧ください。
体験型のゲームであるため実際には体験してみないとお伝え出来ない部分があります。実際に口頭で説明をさせていただいた方も体験した後に「なるほど、そういうことか」と腹落ちされる方が多いです。
そのため、全国各地で公認ファシリテーターがゲームを開催していますので、ぜひ今後のイベント開催予定からゲームに参加してみてください。
また、次の項目で実際のゲームの様子を事例にまとめましたのでこちらもご覧ください。
カードゲーム「2030 SDGs」の導入事例
企業、学校、自治体など幅広くカードゲーム2030 SDGsを導入いただいています。
ゲーム体験者の声
『従来はSDGsの個別の課題それぞれにフォーカスしがちな自分がいた。ゲームをやってみて経済、環境、社会のつながりという全体像を感じられたことが一番大きな収穫。自社内でもやってみたい。またいろんな会社のトップ、経営層に近い人にもぜひやってもらいたい』
『単なるゲームにも関わらず、色々考えさせられましたし、いろんな気づきをいただきました。全員の方と直接話をしてなくてもなんだか最後には皆さんとの一体感を味わってました。他の参加者さんが言っている、地球を共有する感覚を疑似体験する、まさしくそうだなと思います』
『自分にはあまり関係ない話だと思っていたら、ビジネスにも大きな変化が来ているという話で自分たち自身が考えて行かなければならない逃げられないテーマだと認識できた』
『なぜ今SDGsが必要なのかということがよく理解できました。自分たちの力で世界を変えていける可能性を感じました』
『自分の目標を伝える、相手の目標を聞く、状況をちゃんと理解し合うことで協業が可能になることが分かった。まさに自分たちの組織で起こっていることがそのまま出てビックリした』
『まわり=環境や世界などに視点が移ると思考や行動が変わっていくのを実感しました』
自分の組織・団体で行いたい方へ
イマココラボでは2030SDGsを使ったワークショップを提供しています。詳細はこちらをご確認ください。
また、2022年からは2030SDGsをベースに開発したオンライン版のゲーム「ポッシブルワールド」も提供しております。
もし定期的に自分の団体、組織やコミュニティ、さらには外部に対してカードゲーム「2030SDGs」を行うことで、SDGsを広めることに貢献していきたい、という場合は、ファシリテーター養成講座を受講いただきファシリテーターになっていただくことをお勧めします。
ただ、このカードゲームは体験型なのでまずは体験してみてください。実際に過去多くの方が「体験しないと分からない、という意味がよくわかった」「実際に体験してみて体感としてゲームの仕組みが分かった」「これは体験してもらわないと言葉や文章では伝えられない」という声を頻繁に聞きます。まだ未体験という方は今後のイベントの開催予定をご覧いただきお近くの場所で体験してみてください。
また、ファシリテーターによってイベントの内容が大きく異なるので可能であれば異なるファシリテーターのイベントに複数回ご参加いただくことをお勧めします。
なぜファシリテーターによって内容が異なるのか?
通常ワークショップは次の3つのステップで進みます。
①2030SDGsカードゲーム(約1.5時間)
カードゲームで楽しみながらSDGsを体験する部分です。ルール説明において「ゲームの世界」と「現実世界」を上手く紐づけることで深い振り返りにつなげることが可能になります。紐づけの度合いはファシリテーターの熟練度に応じて異なります。また、1.5時間あればゲームは可能ですが振り返りをする時間がほとんどないため、2030SDGsカードゲームを使ったイベントやワークショップの導入を検討される場合は最低2時間以上をお勧めしています。
②振り返り(約1時間)
ゲーム体験と現実世界とを紐づけながら双方向の対話を使って振り返ることで様々な気づきがおこります。振り返りでもファシリテーターのゲーム体験と現実世界を紐づける度合いで振り返りの深みが変わりますし、双方向の対話を導くスキルも振り返りの質に大きく影響を与えます。
さらに、ファシリテーターによって、コーチングプログラムを活用したり、レゴブロックを活用したり、ビジョン策定手法を活用するなど、ファシリテーターに応じて内容、質が大きく異なる部分になります。
③ビジネス事例(約1時間)
企業内で行う場合はビジネス事例が必須になります。それは「ゲームの世界では上手く行くけど現実はそんなに甘くない」「SDGsは必要だと思うけど自分の仕事とは関係ない」という人が必ず一定数現れます。そのため、多様なビジネス事例を使うことで、ビジネスとしてSDGsを進める必要性や重要性を腹落ちすることが可能になります。また、ファシリテーター自身のビジネス経験も腹落ち度に大きく影響を与える部分になります。
このため企業内で2030SDGsカードゲームを使った研修等を企画する場合は通常は3.5時間、短くても3時間以上をお勧めしています。
ちなみに、イマココラボで提供しているファシリテーター養成講座は①の2030SDGsカードゲームの説明が質高く出来るようになることを目的としています。それは、②、③は一度の講座で補えるものではなくファシリテーター個人の過去の経験やスキルに大きく依存するためです。例えば、企業向けにプロのファシリテーターとして活動している人はそうでない方に比べて②、③は当たり前ですが上手な傾向にあります。
これらの理由により、ファシリテーターによって内容だけではなく質も大きく異なります。
イベントスケジュール
定期的に2030SDGsが体験できるイベントを開催しています。詳細は今後のイベント開催予定をご確認ください。
イマココラボへお問い合わせをしたい方
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