【事例】損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社 ~全役職員を対象としたSDGs社内研修~


どんな背景から、この研修・イベントを企画・実施しようと思ったのですか?

当社は資産運用会社であり、従来より責任投資(ESG投資)を推進してきたことから、SDGsの実現に向けて期待される役割は大きいと考えます。一方で、社員一人ひとりのSDGsの理解度には濃淡があり、これを全社ベースで引き上げていくことが当面の課題でした。

全役職員を対象としたSDGsの研修を実施するという企画は、もともとあったのですが、個人間でSDGsの知識差が相当あるため、単なる知識研修では、全員が満足する内容にするのは難しい状況でした。このような中、過去に個人的に「カードゲーム体験型の研修」に参加したことがある担当者より提案を受け、「SDGsの世界観を体感する」ことを目的とする研修であれば、誰もが興味深く研修に参加出来るのではと考えた次第です。

最後は、トップダウンにより、「カードゲーム体験型の研修」の開催を決定しましたが、以下の2点に留意した上で、社内への案内を行いました。

・複数回、同じ内容の研修スケジュールを組むことで、役職員全員が必ずどこかの回に参加できるようにしたこと。

・会社業務の一環で行う研修であることを強調し、勤務時間中に研修を設定したこと。


実際に研修・イベントを行ってみた率直な感想は?

カードゲームの内容を一切知らせることなく、先入観のない状況で受講してもらったので、受講者の皆さんは、色々考えを巡らせつつ、楽しんでゲームに参加することができました。長時間の研修の場合、どうしても中だるみが発生し、集中力が維持できない受講者も出てきてしまうのですが、カードゲームの体験→振り返り、というステップを踏むことにより、最後まで集中を切らすことなく、興味を持って受講できたかと思います。

また研修内容についても、まさに「SDGsの世界観を体感する」ということが、よく理解できるものでした。(言葉にすると、これ以上の説明が出来ないのが歯がゆいです。)

受講者の皆さんには、アンケートを記載してもらっていますが、ゲームを楽しめただけでなく、研修内容も分かりやすく、SDGsの理解促進に役にたつものであった、との感想が多く出ていました。

 


研修・イベントで印象深かった出来事、シーンは何ですか?

今回は、役職員全員を対象とした研修だったので、あえて所属部署や役職をバラバラにしたチーム編成としました。普段、接点のない部署の方と一緒にゲームを行うことで、各自の意外な一面を見れただけでなく、所属部門・部署を超えて交流を行う良い機会となりました。

また役員自らがゲームの中で先頭に立ってはしゃぐシーンもあり、知らない方からすれば、以外な光景(?)が見れたかと思います。


参加者の方のコメント、アンケートで印象深いものは何ですか?

普段の業務の中で、SDGsを意識することのなかった受講者から、気付きが得られたとのコメントが多く出ていました。

(代表例)

「カードゲームを通して、経済や社会がつながっている事を感じた。身近なところからSDGsに関わる取組みが自分でもできないか考えてみようと思った。」

「各企業のSDGsの取組みを確認したことで今後のニュースや新聞の見方、意識が変わりそう。本業との関わりや個人としてもSDGsを考えていきたい。」

その他印象深いコメントを以下のとおり、列挙します。

・自分の達成したい目標と世の中の状況を見る目の両方がないとバランスの良い発展は 出来ないんだと思った。日本人の消費行動が経済合理性のみに寄りがちなのは、まだお金が足りないからなのでしょうか。欧米はどう啓蒙したんだろうと思った。

・「人々の価値観が異なる(目標がちがう)」ことがゲームの前提であることにはっと   させられた。

・他社や他業種などの方とカードゲームをやってみたいと思った。

・世界のルールが変わってきているのが感じられた。

・「見える化」と「横との情報共有」の精度により、ゴール達成度が異なることが分かった。

・子供がいるので、SDGsは未来のためにも考えるべき必要事項だと深く感じた。

・SDGsとESGのつながりも解説いただけるとより良かったかも。

・家族や友人にも話そうと思った。

・世界のつながりと次の世代の子供たちの未来を考える、いいきっかけとなった。

・時間やお金をどう使うかで、人生や社会へのインパクトをより具体的に理解できるので子供への教育にも使えると感じた。


御社にとっても持続可能とは何ですか?

当社は資産運用会社であり、上場企業に対する株式投資などを通じて、お客さまからお預かりした資金の投資収益の最大化を目的に行動しています。この時、資産運用会社が行う投資行動(議決権行使や投資先企業との対話を含む)は、投資先企業やその先にある社会・経済全体の持続的発展にも同時に寄与するものであることが望まれます。

すなわち、資産運用を通じて、持続可能な社会・経済の実現に貢献することが、責任ある投資家としての責務であり、資産運用会社の社会的役割であると考えます。


この記事を読んでいる読者の方にコメントをいただけますか?

全役職員を対象として、業務時間中に研修日程を組んだので、当初は研修自体にネガティブな反応も多いのではと懸念していましたが、受講後の感想は非常に前向きなものが多く、事務局としてはホッとしたというのが正直なところです。

知識研修ではなく、SDGsの世界観(本質)を体感的に理解させることを目的としているので、受講者の満足度も高く、受講後は「自分ごと」として捉えることが出来たのだと思います。

またカードゲームは体験してみないと、面白さを伝えるのが非常に難しいのですが、ゲームバランスが絶妙であり、研修ではなく、「単にゲームを楽しむ」という観点でも十分に満足できるかと思います。


最後にひとことお願いします!

今回の研修は、「社員一人ひとりがSDGsを理解する」というファーストステップに過ぎません。SDGsの実現に向けて、会社で出来ること、個人で出来ることを整理した上で、最終的には経営にどのように反映させていくか(および情報発信を行っていくか)、検討していきたいと思います。

 

コメントをいただいた方:
損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社
経営企画部 担当部長  川上 英治さん