台湾で感じたSDGs ~組織的な取り組みが秘める光と影

こんにちは、イマココラボの稲村です。先日、2030SDGsの公認ファシリテーターである鵜川さん(通称うーさん)が台湾で2030SDGsのワークショップを開催した際のレポートを書いてくれました。

台湾はご存じのとおりその政体自体が微妙なイシューを含んでいるわけですが、そんな中「国連加盟国の合意」であるSDGsはどんな風にうけとめられたのでしょう。

 


 

こんにちは、2030SDGsのファシリテーターをやっている鵜川です。
先日、19年ぶりに台湾に行ってきました。11月半ばの渡航、空港着いたら30℃(汗)

 

目的は、ワークショップデザインとファシリテーションを学ぶ3日間というものを、某企業向けに行うこと。そしてその中で一つのワークショップ体験としてSDGsゲームを開催してきました。

 

 

ご存知の方も多いと思いますが、台湾は国連非加盟国です。ここでは詳しくは触れませんが(というよりも私自身もこの問題は超複雑性を感じていて語ることができません…)、故にSDGsというものへ認知は日本以上に低い。。。

 

そんな中で、このゲームをやってみたわけですが、 蓋を開けてみたら、皆さん本当に夢中で、リフレクションの際も、日本で開催する時と同じかそれ以上に参加し てくれた人の中の「気づきと問題意識の高まり」を感じました。

 

 

これは私にとって、とても嬉しい体験でした。

しかし…同時に後からジワジワとすごくモヤモヤしたものを感じる自分もいました。

 

 

そのモヤモヤの正体は、台湾のメンバー達一人ひとりがこのSDGsについての必要性の認識やゲームへの取組の積極性を持ってくれた一方で、台湾は国連非加盟国という現実があるということ。

 

きっと今の状態では、国としてまた公に、SDGsを推進していく流れにはならないでしょう。(もちろんだからと言って台湾の人たちが持続可能性に対して意識が低いということでは全くありません。)

 

 

世界で連携をしていこうというものなのに。そしてそこにいる一人ひとりはその意思があるのに。。。

誰が悪い、何が悪い、これを変えれば、etc. 事態はそんな単純なものでなく。。。
そんな複雑性の中で、問題や患部を探しだして解決しようという試みの中に希望の糸口を見出すのは難しいんだろうなって感じます。

 

 

でも、だからこそあらためて思います。SDGsの本質は、”一人ひとり”であって、そしてやっぱり希望はそこにある。

 

国連という枠組み、パワーを持つ組織団体企業の取組の加速は、とても大きな意味を持つと思います。しかしそれは一方で、もしそのパワーを持つものの利害の不一致が出た時に、ブレーキにもなりかねない。

その枠組みに外れたものを、置き去りにしてしまうリスクは常にある。

でも、個々の意識の中に、SDGs的な感覚を持って生き働き、そこに価値を見出して選択し判断する感性を育むことが出来れば、それは本当の意味でのパワーになると感じます。

 

 

 

本当の意味でのパワー。紛争や国際的断絶などに対話と調和をもたらそうと活動しているアダム・カヘンは、パウロ・ティリッヒの言葉、生成的な「する力」と退行的な「させる力」の違いを語っています。力とはそれほど扱いが難しく、故に「愛」と「力」の均衡と調和が大切だと言っています。

 

 

枠組みや、組織の利害に依らず、一人ひとりが「そうしよう」という意思と、それが必ず何かにつながるという感覚を持って行動する。それこそが生成的な「する力」でなんだろうなって思います。

 

私自身は、VisionaryWorkというコンセプトをたくさんの人に伝えています。
VisionaryWorkとは、自分が大事にしたかったり、情熱を感じたり、楽しい!!と感じることをしながら、同時にそれが誰かや社会を幸せにすることにつながるという感覚を持てる。そんな仕事、生き方、働き方です。

 

 

自分の日々の活動の中に、SDGs的なものを取り入れることは、VisionaryWorkにつながる一つのアプローチだと思っています。それが私がSDGsゲームのファシリテーションをする大きなモチベーションの一つです。

 

きっとこれから、企業をはじめ、組織に対してこのSDGsゲームをやっていく機会は増えていくと思います。そしてそのこと自体はとてもいい事で、このSDGsの普及や取組を加速させてくれるパワーに間違いなくなると思います。

 

ただ忘れてはならないのは“組織”に向けて実施しながらも、“組織”に対してSDGsを浸透させていくというのではなく、そこにいる一人ひとりに向けてメッセージしていくという感覚なんだろうなと私は思っています。

 

 

何社がSDGsに取り組んでいるかではなく、そこにいる一人ひとりが小さくていいから何か出来ている実感があるかどうか。そんなことを、ファシリテーターとして、あらためて気づかせてもらった台湾の旅でした。

 

この記事を書いた人
鵜川洋明(ミラクカンパニー株式会社 代表取締役)

約17年間の企業勤めの後、2013年「これからは個として幅広く自由に個人や企業と関わりあいながら新しい働きかたを模索したい」との思いから起業。情報編集やマーケティング・コーチング等の手法を融合し再編集した独自のビジョンメイキングやキャリアデザインノウハウ“VISIONARY WORK DESIGN”を確立。一人ひとりがその個性という可能性を拓いて生き働き、自分も誰かも世の中もハッピーにできる人を一人でも多く増やしたいという想いで活動中。

また可能性を拓くきっかけをつくりたいという思いから、児童養護施設の子供たちの自立支援、ASEAN地域での学校や図書館づくりや貧困地域の女性たちがつくるシルクブランドの支援なども行う。

・CDA:キャリアディベロップメントアドバイザー
・ワークショップデザイナー

著書:「自分未来編集」(電子書籍) http://amzn.to/1dRev4l